シックスシグマ

公開日 2011.03.01 和田東子(HRDジャーナリスト)

シックスシグマ(しっくすしぐま)

1970年代末から1980年代初頭に、米国モトローラ社(Motorola, Inc.)が生産プロセスを改善するために開発した手法。1995年にゼネラル・エレクトリック社(General Electric、通称「GE」)が全社的に導入し業績向上に貢献した。

シックスシグマの特徴はチームでの業務遂行手順に加えて、シックスシグマの導入・定着化策も示されていることである。

シックスシグマの基本的な業務遂行手順は、業務をdefine(定義)、measure(測定)、analyze(分析)、improve(改善)、control(定着)の5つのフェーズに分ける(これを「DMAIC」と呼ぶ)。まず問題を定義し、問題改善を計測・検証するための指標を定めてデータを収集し、現状を指標にしたがって分析したうえで改善目標を決め、実際に改善活動を行い、最後にその成果を検証し問題の再発防止や定着化をチェックする。
この手法を導入するには、①いわゆるシックスシグマ資格制度を構築し、社員全員を対象に資格取得を進める、②シックスシグマ活動を推進する専任者を設置し、常にシックスシグマ活動を継続させるという2つのポイントがある。

シックスシグマの資格にはクオリティリーダー、マスターブラックベルト、ブラックベルト、グリーンベルトの4種がある。全社員対象のグリーンベルト以外は基本的に専任者である。クオリティリーダーは期ごとに職場の問題を集約し、全社的に取り組むプロジェクトを決定する事務局となる。マスターブラックベルトは新入社員などに対する社内のシックスシグマ教育を担当する。また、導入期には社内でグリーンベルト取得運動などを盛り上げ、社員のグリーンベルト取得を促進する。ブラックベルトは毎年実施されるシックスシグマプロジェクトのリーダーとなり、実際にプロジェクトを進める。

現在GEでは、シックスシグマにトヨタの「ムダとり(リーン生産方式)」の考え方を取り入れた「リーンシックスシグマ(Lean Six Sigma)」が活用されている(2005年~)。導入から15年以上が過ぎ、シックスシグマは全世界15万人にのぼるGE社員の共通言語、共通プラットフォームとなり、業務の効率化、協業の促進に大きく貢献している。

シックスシグマにはこのほか、顧客のニーズを満たす品質追求を設計開発段階から実現するための「DFSS(Design for Six Sigma)」が知られている。

シックスシグマ_DMAICのイメージ

シックスシグマ_推進体制のイメージ