公開日 2011.03.01 和田東子(HRDジャーナリスト)
SL理論(えすえるりろん)
マネジメントする人間がどのようなリーダーシップを取るのが望ましいかは、部下の成熟度によって異なるという考え方。フィードラーのコンティンジェンシーモデルの状況要因を掘り下げて、部下の成熟度に着目したもので、1977年にハーシィとブランチャードが提唱した。
ハーシィとブランチャードは部下の成熟度が上がるにしたがって、「教示型」→「説得型」→「参加型」→「委任型」とリーダーシップスタイルは変化すると考えた。
●教示型
タスク志向が高く、人間関係志向の低いリーダーシップ。部下に具体的に指示しながら、業務を監督する。対等の立場での協労的行動はとらない。新入社員などに対して効果的な型。
部下の成熟度:未成熟
●説得型
タスク志向、人間関係志向がともに高いリーダーシップ。リーダーが考えを説明し、部下の疑問に応えながら業務を進める。部下に考えさせたり意見を求めたりする。積極的に指示的、協労的行動をとる。ある程度業務の状況が把握できている入社5年目以下程度の社員に効果的な型。
部下の成熟度:やや未成熟
●参加型
タスク志向が低く、人間関係志向の高いリーダーシップ。リーダーは、部下の自主性を促すための激励や環境整備を行う。リーダーと部下の考えを融合させ意思決定するようにする。指示的行動はあまりとらず、対等の立場での協労的行動をとる。業務の実情を自分と同程度知っている中堅社員に効果的な型。
部下の成熟度:やや成熟
●委任型
タスク志向、人間関係志向がともに低いリーダーシップ。部下に仕事遂行の責任を委ねる。権限や責任を委譲し、極力管理しないようにする。業務の実情に関して自分より詳しいベテラン社員に対して効果的な型。
部下の成熟度:成熟
■参考文献
『組織行動のマネジメント』ステファン・P・ロビンス 著(ダイヤモンド社、1997)
■関連用語
リーダーシップ理論