公開日 2011.03.01 和田東子（ＨＲＤジャーナリスト）
条件即応理論（じょうけんそくおうりろん）
リーダーシップは、リーダーの資質ではなく状況に応じて役割を変えると考え、リーダーシップとさまざまな状況との関係を明らかにしようとした理論（コンティンジェンシーは「不測の事態」の意味）。
1940年代までの特性理論や行動理論によって明らかになったのは、どのような状況にも適合するリーダーの特性や望ましい行動は存在しないということである。リーダーの成功を決めるのは、リーダー個人のリーダーシップスタイルだけではない。リーダーを取り巻く状況の影響を無視することはできないのだ。
そこで1960年代後半以降、リーダーの成功に大きな影響を与える状況要因を明らかにしようとする研究が盛んに行われるようになった。ある状況の下では、あるリーダーシップスタイルが適切だったとしても、別の状況においては、別のリーダーシップスタイルのほうが適切になる。このような考え方に立つ一連の研究を条件適合理論と呼ぶ。
条件適合理論でまず必要なのは、リーダーに影響を与える状況の抽出である。しばしばタスクのタイプ、リーダーの直属の上司のスタイル、集団規範、時間的制約、組織文化といった状況要件が変数として用いられた。
条件適合理論の中でも注目されているのが、フィードラー理論、パス・ゴール理論、リーダー参加モデルなどである。
■参考文献
『組織行動のマネジメント』ステファン・P・ロビンス著（ダイヤモンド社、1997）
『ハイ・フライヤー』モーガン・マッコール著（プレジデント社、2002）
■関連用語
リーダーシップ理論