公開日 2011.03.01 和田東子(HRDジャーナリスト)
特性理論(とくせいりろん)
最も古典的なリーダーシップ理論。リーダーはリーダーに生まれつき、リーダーには普通の人とは異なる特性があるとの前提に立つ。さまざまな偉人たちを列挙し、彼らに共通する特性を探しだそうとした研究である。
古くはギリシア時代からさまざまに論じられており、近代までは身体的な特徴(身体が大きい、美しいなど)も特性の一つだと考えられてきた。19世紀末にトーマス・カーライルが身体などの外見的な特徴ではなく、能力や性格に注目することを主張した。
1905年に心理学者のアルフレッド・ビネーとテオドール・シモンが最初の知能検査「知能測定尺度」を発表すると、リーダーの共通項を探すのではなく、彼らの能力を計測して、リーダーシップを形成する特性を特定しようとする研究が行われるようになった。その中で代表的なものが、ストッグディルの特性論である。
しかし多様な立場で多様な活躍をしたリーダーは、それぞれまったく異なる特徴をもっている。そのため1940年代に入ると、特性理論とは異なる見地からリーダーシップをとらえようとする立場が主流となった。
■参考文献
『組織行動のマネジメント』ステファン・P・ロビンス著(ダイヤモンド社、1997)
■関連用語
リーダーシップ理論