XY理論

公開日 2011.03.01 和田東子(HRDジャーナリスト)

XY理論(XYりろん)

アメリカの心理・経営学者ダグラス・マグレガーが提唱した動機づけ理論。1950年代後半に発表された。

マグレガーはマズローの欲求段階説のうち、低次の欲求(生理的欲求や安全の欲求)を比較的多くもつ人間の行動モデルをX理論で示し、高次の欲求(自我の欲求や自己実現の欲求)に基づく行動モデルをY理論とした。

X理論では、人間は本来怠け者であると考える。そのため強制や命令で管理し、目標が達成できなければ処罰するといったように「アメとムチ」によるマネジメント手法が必要とされる。

Y理論では、仕事をするのは人間の本性であり、人間は自己実現のために自ら行動するものだと考える。そのため企業の目標と個々人の欲求や目標を調整できれば、従業員は自発的に学び、成長し、かつ仕事にその成長を結びつけて企業の業績に貢献しようとすると、マグレガーは指摘している。

マグレガー自身は、生活水準が向上し、低次の欲求が満たされている現代にあっては、X理論によるマネジメントは適合しない、そのためY理論に基づいたマネジメントが重要であると提言した。

■参考文献
『組織行動のマネジメント』ステファン・ロビンス著(ダイヤモンド社、1997)

■関連用語
モチベーション理論