マズローの欲求段階説

公開日 2011.03.01 和田東子(HRDジャーナリスト)

マズローの欲求段階説(まずろーのよっきゅうだんかいせつ)

欲求5段階説、アブラハム・マズロー

アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱したモチベーション理論。1943年に発表され、その後ダグラス・マグレガーがXY理論で引用したことで有名になった。

マズローは人間の欲求には低次のものから順に、「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「自我の欲求」「自己実現の欲求」の5段階があり、低次の欲求が満たされると、より高次な次の段階の欲求が表れると考えた。

マズローは最初の四つの欲求を「欠乏欲求」と名づけた。自己実現欲求は「成長欲求」とし、人間としての理想的な状態であり、実際に自己実現した者はごくわずかしかいないと考えていた。

【生理的欲求】
空気、食べ物、水、生色、睡眠など。生きていくうえで最低限必要な生理現象を満たすための欲求。

【安全の欲求】
雨風をしのぐ家、争いごとのない環境、各種保障制度など。生命を脅かされず、安心して生活したいという欲求であり、企業においては雇用確保や労働環境の確保などが該当する。

【社会的欲求】
家族、地域、会社、国家など、集団に属し、集団の一員として認められたいという欲求。「親和の欲求」「愛情欲求」などの訳もあるように、家族や恋人、周囲の人々とのつながりを欲する気持ちである。

【自我の欲求】
地位、評判、賞賛、自信、自尊心などを欲する気持ち。

【自己実現の欲求】
自分の理想やあるべき自分になりたいといった欲求。

段階的に高次の欲求が表れるとする点については、批判が多い。ただしマズロー自身も必ずしもこれらの欲求が段階的に発現するとは限らないと述べている。

マズローの欲求段階説のイメージ

■関連用語
モチベーション理論