経験学習

公開日 2011.03.01 和田東子(HRDジャーナリスト)

経験学習(けいけんがくしゅう)

学習プロセスモデルの1つ。アメリカの20世紀前半を代表する思想家であるジョン・デューイによれば、「経験」とは人間と外部環境との相互作用である。そのとき経験には直接経験と間接経験、外的経験と内的経験の区別をすることができる。

一般に「経験」というとき、直接体験のみを意味することが多いが、経験の範囲をどこまでととらえるかによって、「経験学習」の定義も異なる。そのため現在も経験学習の合意された定義はないという。

しかし現在のところ最も有名な経験学習の定義は、コルブによるものだろう。コルブは学習を「経験を変換することを通して知識を創造するプロセス」と定義した。コルブはデューイ等の研究に基づき、4つのステップからなる「経験学習モデル」を提示した。

このモデルでは、㈰個人は具体的な経験をし、㈪その内容を振り返って内省することで、㈫そこから得られた教訓を抽象的な仮説や概念に落とし込み、㈬それを新たな状況に適用することによって学習することが示されている※。


※『経験からの学習』(同文舘出版、P62)より一部抜粋

■参考文献『経験からの学習』 松尾 睦 著(同文舘出版、2006)

コルブの経験学習モデルのイメージ

■関連用語
インストラクショナルデザイン