公開日 2011.03.01 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
シニオリティルール(しにおりてぃるーる)
労働条件の決定において、勤続年数が長い者を優遇する考え方。シニオリティ(seniority)は「先任権」と訳される。
アメリカでは、レイオフ(一時解雇)に際し、使用者が労働組合員に対して差別的な取り扱いをし
ないように、勤続年数が短い労働者から解雇し、勤続年数が長い者から先に再雇用するという基準を労使協定において定めることが一般的に行われており、この基準を指す言葉であった。その後、レイオフの順番に限らず、昇進や労働条件の決定においても、幅広く適用される考え方となった。
最近では、企業における人事管理に限らず、「年功序列」と似たような意味で幅広く使われようになっている。
なお、一般的に「年功序列」という場合は、処遇の決定基準のとらえ方が、年齢や勤続年数、勤
続期間中の功績等、属人的な要素を幅広くとらえる。一方、シニオリティ・ルールは、一般的に勤続期間や経験年数に絞り込んだ基準が設定される。シニオリティルールは、年齢、学歴等に関わらず、「ともかく、先に勤めていた者が優遇される」というシンプルな考え方に立つところが、年功序列との違いである。