専ら派遣

公開日 2011.03.01 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

専ら派遣(もっぱらはけん)

特定の事業主に対してのみ労働者派遣を行うことを目的とする事業をいい、例えば、人件費を抑えるために、子会社を設立して親会社だけに労働者派遣を行わせること等がこれに該当する。専ら派遣に該当する場合(※)は、一般労働者派遣事業としての許可を受けることはできない(労働者派遣法7条)。また、厚生労働大臣は、専ら派遣を行っている事業主に対し、その労働者派遣事業の目的又は内容を変更するよう勧告することができる(同法第48条第2項)。
具体的には、次に掲げるいずれかに該当する場合は、専ら派遣とされる。

① 定款等に記載されている事業目的が専ら派遣となっている
② 派遣先の確保のための努力が客観的に認められない(不特定の者に対する宣伝広告を行っていない等)
③ 特定の者以外からの労働者派遣の依頼を正当な理由なくすべて拒否している
なお、不特定の者に対して労働者派遣を行おうとしても、結果として特定の者に対してしか労働者派遣ができていない状態は、専ら派遣には含まれない。

※派遣元が雇用する派遣労働者のうち、10分の3以上の者が60歳以上の者(他の事業所を60歳以上の定年により退職した後雇い入れられた者に限る)である場合は除く。