レイオフ

公開日 2011.03.01 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

レイオフ(れいおふ)

使用者が、再雇用を前提として、労働者を一時的に解雇すること。「一時解雇」と訳される。
アメリカでは、業績不振に陥った企業や生産調整が行われる工場において一般的に行われている。レイオフされた労働者は業績や生産が回復する見込みが立てば再雇用されるが、回復しなければ解雇となる。

レイオフを行う場合、使用者と労働組合との間で協定を結ぶことが多く、そこで解雇や復職の順番が決められる。一般的には、勤続年数が短い者から先に解雇し、逆に勤続年数が長い者から復職させるもので、これを「シニオリティ・ルール(先任権)」という。
レイオフは、あくまでも「解雇」の一形態であるから、解雇法制が厳格な日本ではほとんど行われず、雇用調整においては「一時帰休」(労働者を解雇せずに一定期間休業させること)のほうが行われている。なお、一時帰休の場合は、労働基準法第26条に基づき、使用者は労働者に休業手当を支給しなければならない。

人事院「平成22年民間給与実態調査」によれば、2010年1月から4月までの間に雇用調整措置として「正社員の解雇」を実施した企業は全体の1.8%、「一時帰休・休業」を実施した企業は9.4%となっている。