アセスメント

公開日 2011.03.01 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

アセスメント(あせすめんと)

「査定」や「事前評価」等と訳され、人事管理においては人材の行動特性等を科学的手法により測定し、採用、配置や教育等に活用することをいう。

元来、主に環境分野や製品開発分野において「ある行為が周囲に与える影響を測定すること」を意味するものであったが、近年、様々な分野でこの用語が使われるようになった。
従業員の処遇決定については、アセスメント以外にも人事考課が行われるが、両者の違いは次の点にある。

① 測定・評価の対象
アセスメントは行動特性や職務適性等であり、人事考課は業績貢献度や能力発揮度等である。
② 結果の活用方法
アセスメントは採用や異動等の人材配置に用いられ、人事考課は主に昇給・賞与等の処遇決定に用いられる。
③ 実施
アセスメントは外部の専門機関が筆記試験や面接等(「アセスメントツール」)により行い、人事考課は直属の上司が部下の目標達成度や仕事ぶりをみて評価する。

労務行政研究所が上場企業及びそれに匹敵する企業を対象に行った「人事労務諸制度実施状況調査」(2010年)によると、管理職登用時にアセスメントを実施する企業数の割合は12.2%となっており、ここ数年間、増加傾向にある。