リテンション

公開日 2011.03.01 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

リテンション(りてんしょん)

優秀な人材の退職を防ぎ、自社につなぎとめるための諸施策のこと。英語の「retention」は、保有、維持、維持力を意味する。

優秀な人材の退職は自社にとって大きな損失になるだけではなく、その人材が競合他社に入社した場合は、自社の技術が流出して、相手の競争力を高めることにもなる。特に、研究開発、情報技術、金融等の専門性が高い分野では従業員各人に知識や技術が蓄積される傾向が強いため、優秀な人材を自社につなぎ止めておくことが、会社の生命線を握るものと認識されるようになった。

このような認識は人材の流動化が進んだ2000年以降から日本企業に急速に広がり、リテンションに対する関心が高まった。

リテンションとは、例えば、次のような施策である。

① 能力主義、成果主義的な報酬体系を導入して、優秀な人材に十分な報酬を与える。
② 職務上の権限や責任を与え、仕事のやりがいを大きくする。
③ 教育研修等の能力開発の機会を作り、自らの成長を実感できるようにする。
④ 休暇を取得しやすくする、オフィスのレイアウトに工夫を凝らす等して、働きやすい職場環境を整備する。