公開日 2011.03.01 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
キャリアラダー(きゃりあらだー)
キャリア(職務経歴)を積み上げていくための「はしご(ラダー)」のこと。難易度や責任によって仕事の段階を設定し、それにそって労働者がキャリアを開発し、より高い報酬を得られるようにする仕組みを指す。
1980年代のアメリカにおいて、「高スキル・高賃金」と「低スキル・低賃金」とに労働者の二極化が進む中で、後者が、よりよい仕事と高賃金を得られるようにするための職業訓練等の政策的プログラムが必要になった。これが「キャリアラダー」である。キャリアラダーは、地域コミュニティや労働組合等が運営するものであったが、従業員の定着率を高める効果が期待できるため、企業もこれを提供するようになった。
近年、日本でも、非正規社員の増加等の労働者の二極化が進む中で、キャリアラダーに対する関心が高まってきている。とくに医療や介護等の分野においては、キャリアラダーを職員に示し、職務経験の積み上げとそれを実現するための教育訓練の提供が行われるようになってきている。