公開日 2011.03.01 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
エクスパッツ(えくすぱっつ)
「国外居住者(Expatriate)」の略称で、海外の本社や関係会社から日本国内の会社に派遣されている駐在員のこと。社会保険や税金の適用が他の従業員と異なる場合があるため、取り扱いには注意を要する。
エクスパッツに対しては、主たる給与を派遣元である海外の会社が支払い、日本における生活費等を派遣先である日本の会社が支払うというパターンが多い。ここで、日本の会社がエクスパッツに支払う経済的利益には所得税等が課されるが、その税金の支払いを日本の会社が負担すると、会社が負担した税金もエクスパッツに支払った経済的利益となり、課税処理の対象となる(このような計算を「グロスアップ計算」という)。
また、社会保険は、基本的にはエクスパッツも適用対象となるが、派遣期間が5年以内で派遣元の国と日本との間に社会保障協定が適用されている場合や、報酬が海外で支払われ、保険料の納付ができない場合には社会保険の適用対象外とされることがある。
今後、グローバル化が進む中で、エクスパッツも増加するものと考えられ、給与計算や労務管理が円滑に対応できるようにしておくことが望ましい。