アウトプレースメント

公開日 2011.03.01 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

アウトプレースメント(あうとぷれーすめんと)

「再就職支援」と訳され、人員削減を行う企業からの依頼を受けて、解雇や早期退職の対象となる労働者に対するキャリア・カウンセリングの実施や再就職先の斡旋等の各種サービスを提供すること。人員削減を行う企業が契約を締結し、各種サービス提供に対する契約料を支払う(再就職先から料金を徴収しない)ところが、一般的な人材紹介事業と異なる。

1960年代初頭にアメリカに端を発し、日本では1980年前半からアウトプレースメント会社が設立されるようになったが、バブル経済崩壊後の1995年頃から、このサービスが幅広く利用されるようになった。

アウトプレースメントを依頼する企業側は人員削減を円滑に進められ、対象となった労働者は再就職先を早期に見つけられ、また、受け入れ企業は低コストで労働者を採用できるなど、それぞれにメリットがある。

なお、日本におけるアウトプレースメントは、大企業が依頼主になり、中高齢者を中小企業に再就職させるパターンが多い。株式会社NTTデータ経営研究所の推定によると、2005年におけるアウトプレースメント会社数は約200、市場規模は約400億円となっている。