サバティカル休暇

公開日 2011.03.01 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

サバティカル休暇(さばてぃかるきゅうか)

大学や研究機関等において、一定年数(例えば7年)ごとに与えられる、使途に制限がない、1カ月から1年間の長期休暇のこと。「サバティカル」とは、元来「安息」の意味で、古代ユダヤ人が7年ごとに耕作をやめたという言い伝えに基づいている。

この休暇期間中は、組織内の諸行事に時間をとられることなく、自分の研究に没頭する、あるいはゆっくりと休養することができる。もともとは、欧米の大学や企業等において、専門性を高める時間を与えて職員の定着率を高めることを目的として導入されたものであったが、近年、日本の大学や企業等においても、この休暇を導入するところが出てきている。

例えば、ある国立大学法人では「サバティカル研修」の呼称で、7年間継続勤務した教員に対して、自主的調査研究に専念できる期間を6カ月以上1年以内の範囲で与えており、この期間中は、講義の実施や会議への出席等の役割を免除している。サバティカル期間中の調査研究に関する報告義務はないものの、兼業を行う場合や勤務場所を長期に離れる場合は、所属部署の許可が必要としている。

なお、サバティカル期間中の取り扱いは、無給とすることもできるが、有給としている場合が多い。