内定

公開日 2011.03.01 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)

内定(ないてい)

高校や大学等の卒業予定者に対して、卒業後に雇用することを取り決める契約。一般的に「始期付解約権留保付労働契約」と解されており、労働契約は、内定通知が出されたときに成立しているが、その効力が発生する入社日まで使用者が解約権を留保している状態にあるものと考えられている。

2008年秋以降、世界同時不況の影響を受けて、大企業における内定取り消しが相次いで発生したことから、あらためて「内定」の意味が見直されるようになった。厚生労働省では、「新規学卒者の採用に関する指針」を発表し、使用者に対して内定取消しを防止するための最大限の経営努力を行うことを求め、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない採用内定取消しは無効とされること」等を明確に示した。

この後も、使用者にとっては、景気の先行きが見えず、内定を出しにくい状況が続いており、厚生労働省・文部科学省による「平成22年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(平成22年12月1日現在)」によれば、2011年3月大学等卒業予定者の就職内定率は68.8%で、調査開始以来過去最低の水準となっている。

■参考
厚生労働省職業安定局「新規学卒者の採用内定取り消し・入社時期繰下げ等への対応について