リーダシップ・パイプライン

公開日 2011.03.01 和田東子(HRDジャーナリスト)

リーダシップ・パイプライン(りーだしっぷ・ぱいぷらいん)

組織に必要な上級管理職から下級管理職までの管理職各層を、途切れることなく育成する体制。サクセッション・プランを発展した形で登場したコンセプトである。

管理職には各層ごとに異なるマネジメントスキル、マインドが要求されるが、従来そのことが重視されていなかった。そのため昇進後に多くの管理職がスキルギャップを経験し、試行錯誤の中で必要な能力開発をするしかなかった。このスキルギャップを埋め、新任の管理者がスムーズに業務をスタートできるようにすることがリーダーシップ・パイプラインの目的である。

そのためには、①管理職各層について、後継者をピックアップし、人材プールをつくる、②各層ごとに異なるマネジメントスキルを明らかにし、上位管理者への昇進に際し教育を行うことが必要となる。

提供されるべき教育の内容は、新しい責務をまっとうするために必要な能力(スキル)、どのように動くかを規定する新しい時間枠(業務時間配分)、重要性を認め、注力すべきだと信じる事柄(職務意識)の3つである。

■参考文献
『リーダーを育てる会社つぶす会社』ラム・チャラン、ステファン・ドロッター 、ジェームス・ノエル著(英治出版、2004)