公開日 2011.03.01 深瀬勝範(社会保険労務士、人事コンサルタント)
会社分割(かいしゃぶんかつ)
株式会社または合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部または一部を分割し、他の会社に承継させたり、新会社として設立する会社に承継させたりする組織再編の手法。2000年の商法改正により導入され、分割手続きの明確化、簡素化によって、より機動的な組織再編が可能になった。
主に、不採算部門を切り離して他の会社に吸収させる場合、成長部門の競争力を高めるために一企業として独立させる場合や同一企業グループ内の重複する事業を集約する場合等に用いられている。
事業の権利義務を分割した後に他の会社に承継させることを「吸収分割」(会社法2条29号)、分割により設立する会社に承継させることを「新設分割」(同30号)という。
分割契約等に承継会社等に承継させる旨の定めがあるもののうち、承継される事業に主として従事する者に係る労働契約、および承継される事業に従事していなくても承継に異議を申し出ない者に係る労働契約は、承継会社等に承継される(労働契約承継法3条、5条)。なお、承継事業に主として従事する者に係る労働契約で、承継会社に承継されないとされたものについては、労働者が異議を申し出れば承継されることになる。