公開日 2009.08.07 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
●調整係数、換算率のこと。生計費分析では、4人世帯の消費支出を100としたときの、世帯人員ごとの消費支出を指数化したもの(世帯人員調整係数、生計費マルチプル)を指す。
●総務省「家計調査」における都市別の消費支出の集計では、世帯人員は「3.44人」のように端数がついた状態で表示されており、この状態では、世帯人員ごとの分析や平均世帯人員が異なる都市間の比較を行うことができない。そこで、この集計値を特定の世帯人員のものに換算するときにマルチプルを用いる。
●例えば、平均世帯人員3.44人、消費支出328,649円を3人世帯に換算するときに
は、次のような計算を行う。
y= 7.78x + 68.88(世帯人員と支出の関係を表す回帰式)
3人世帯のマルチプル(xに3を代入したときのy)
7.78 ×3.00(人)+ 68.88 = 92.22
平均世帯のマルチプル(xに3.44を代入したときのy)
7.78 ×3.44(人)+ 68.88 = 95.64
3人世帯の消費支出
328,649円×(92.22/95.64)≒316,987円
●なお、マルチプルとは「多数の、多角的な、倍率」という意味をもち、アンケートの複数回答を表す用語や企業価値の算定方法等の名称にも、これが使われている。