公開日 2019.4.1 あした葉経営労務研究所
●「事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対して意見を述べる」ことを目的として、労使の代表が構成員となって事業場に設置されるものをいう。
●委員の半数は、労働者の過半数で組織される労働組合または過半数代表者によって任期を定めて指名される。なお任期について法定による上限等の規定はないが、「過度に長期にわたるものは適当でない(平12. 1. 1 基発1)」とされている。
●委員数は事業場の実態に応じて任意に定めることができるが、「労使各1名、合計2名の構成では、実質的に労使協定の締結と異ならないこととなるため、労使委員会とは認められない(平12. 1. 1 基発1)」とされている。したがって労使委員会は労使各2名、合計4名以上が構成員となる。
●管理監督者を労働者側の代表とすることはできない。また、使用者は労働者が委員として正当な行為をしたことを理由として、不利益な扱いをしてはならない(労働基準法施行規則24条の2の4)。
●委員会の議事については、議事録を作成し3年間保存しなければならず、また労働者に周知しなければならない。
●労使委員会は一定の労使協定について、協定締結に代えて「代替決議」をすることで、同様の効果を生じさせることができる。
●代替決議が可能なものの多くは行政官庁の届出が不要であるが、時間外及び休日の労働(労働基準法36条1項)、時間外の割増賃金の代替休暇(同法37条3項)、年次有給休暇の時間単位付与(同法39条4項)、年次有給休暇の計画的付与(同法39条4項)、年次有給休暇中の賃金の定め(同法39条7項ただし書)については届出が必要となる。
●なお高度プロフェッショナル制度(労働基準法41条の2)を導入する場合は労使協定では足りず、労使委員会が設置された事業場において、その5分の4以上の多数による決議が必要となる。
(あした葉経営労務研究所 代表 本田和盛)