整理解雇の4要件

公開日 2009.04.28 あした葉経営労務研究所



●使用者が、経営不振の打開や経営合理化など経営上の理由に基づいて行う、人員整理(人員削減)のための解雇を整理解雇という。

●整理解雇は普通解雇の一つであり、労働者側に責任のない使用者側の経営上の理由による解雇であることから、使用者側には厳しい制約が課せられる。

●整理解雇については、権利濫用を主張する労働者側との間で多くの紛争が起こり、その合理性の判断要素(考慮要素)として次の四つの要件が判例法として確立されている。(整理解雇法理)
①人員整理の経営上の必要性
②解雇回避努力義務の履行(整理解雇を選択する必要性)
③被解雇者選定の合理性
④手続の妥当性(協議説得義務)

●従来は以上四つの要件を全て満たさなければ、解雇権の濫用で無効とする判断が多く見られたことから、「整理解雇の4要件」とされてきた。

●近年では産業構造や就業形態等、経営を取り巻く環境の変化から、必ずしも4要件の全てを満たさなくとも、四つの要件について、その実施の有無・程度を総合的に判断する事例も増加している。このことから、上記の基準を整理解雇の「4要素」としてとらえることもある。


■関連用語
人員整理の必要性
解雇回避努力義務
被解雇者選定の合理性
手続きの妥当性(協議説得義務)


(あした葉経営労務研究所 代表/株式会社キャリア・ブレーン 認定キャリア・コンサルタント 本田和盛)