エンゲル係数

公開日 2009.03.23 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社


●家計の消費支出総額に占める食料費の割合のこと。一般的に、この数値が高いほど生活水準が低いことを示す。

●ドイツの社会統計学者C.L.E.エンゲルは、19世紀末に発表した論文で、所得が上昇し生活が豊かになるほど、エンゲル係数が低くなる傾向(これを「エンゲルの法則」という)を発表した。これ以降、エンゲル係数は、生活水準を表す指標として広く使われている。

●エンゲル係数は、理論生計費や最低生計費の算定にも用いられることがある。
例えば、標準的な食料費にエンゲル係数の逆数を乗じて、生計費総額を算出するという方法である(このような方法を「エンゲル方式」または「半物量方式」という)。

●総務省「家計調査」によると、1978年以前には30%台であった日本のエンゲル係数は、最近では約23%にまで低下している。

●一方、「所得が上昇するほど消費支出に占める住居費の割合が低下する」という統計的法則を「シュワーベの法則(Schwabe's law)」という。なお、エンゲルの法則もシュワーベの法則も統計的な経験則であって、どの時代・地域にも当てはまる普遍的、絶対的なものではない。


■関連用語
標準生計費