キャッシュ・バランス類似制度

公開日 2009.03.23 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社



●確定給付企業年金の一種。在職中の給付額の積み立ては通常の確定給付企業年金と同様に行うが、退職後の待機期間(退職から年金受給開始までの期間)と年金の受給期間の利率については、キャッシュ・バランス・プランと同様に市場金利を反映させる仕組みのこと。「擬似キャッシュ・バランス・プラン」といわれることもある。

●キャッシュ・バランス・プランは、制度の性質上、勤続年数別の支給額が「S字カーブ」にならない等、年金のベースとなる退職金制度の設計上において制約がでてくる。キャッシュ・バランス類似制度は、年金の給付額を確定するまでの期間(在職中)は、通常の確定給付企業年金を採用することによって会社の人事方針に即した退職金制度を設計し、退職後の待機期間や受給期間の利率についてのみ市場金利を反映させて、運用リスクの軽減を図ろうとするものである。

●通常の確定給付企業年金にキャッシュ・バランス・プランの要素を取り入れた仕組みであるが、運用リスクの軽減効果は、キャッシュ・バランス・プランと比較すると限定的である。その意味では、財務的なメリットよりも人事施策との整合性を重視した仕組みととらえられる。


■関連用語
キャッシュ・バランス・プラン