労働契約の期間

公開日 2009.02.27 あした葉経営労務研究所 労働契約の期間

 
●労働契約においては、契約期間を定める場合と定めない場合がある。このうち期間の定めをする有期労働契約を締結する場合には、労働基準法において契約期間の上限規制が定められている。

●契約期間に係る規制は、労働基準法14条1項において以下のように定められている。
①期間の定めのないもの(いわゆる正社員)については規制の対象外
②一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの→その期間
<例>
大規模な土木工事で、その完成までに4年間が予定されている事業に雇入れられるようなケース。その事業自体が有期事業であることが明らかであり、その事業の終期まで雇入れられるような場合。
③上記以外の場合は原則として3年を超える期間について労働契約を締結することはできない。ただし、次の④⑤の場合は5年が上限となる
④専門的な知識、技術又は経験であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者との間に締結される労働契約
⑤満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(④に該当する場合を除く)

●長期的な拘束は、戦前の日本の労使関係にみられた身分的隷属等の悪弊を助長するおそれがあるとして、民法では、「5年を超える期間を定めた雇用契約は当初から5年を経過したときは、当事者の一方の意思によりいつでも、3ヶ月前に予告をして解約できる(626条1項)」と定めており、労働基準法においても長期契約により労働者の身分を不当に拘束することを回避する目的で本規定が定められた。


(あした葉経営労務研究所 代表/株式会社キャリア・ブレーン 認定キャリア・コンサルタント 本田和盛)