公開日 2009.02.27 あした葉経営労務研究所
●出向とは、労働契約の存する企業の従業員としての身分を保持したまま、相当の長期間他の企業において、当該企業の指揮命令下で業務に従事させることをいう(在籍出向ともいう)。
●出向は主に、子会社・関連会社への経営・技術指導、自社にない技術の習得、グループ会社内の人材交流・活性化、雇用調整等の目的で行われる。
●使用者の出向命令権について、労働協約・就業規則等において「業務上必要ある場合には出向を命ずる」旨を明示し、一定の条件を満たすものであれば、労働者の個別的同意なしに出向を命ずることができるとされている(就業規則等における包括的同意が根拠である)。
●ただし、以下のような事由に因り労働者が著しく不利益を受ける出向命令であるとされた場合、権利濫用として無効とされた例もある。
・出向命令を出す業務上の必要性がない
・出向させる労働者の人選が合理性に欠ける
・出向先での労働条件が通勤事情等を含めて劣悪である等
・出向手続きが相当でない
●労働契約法14条に、出向に関する規定がある。「使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。」
■関連用語
転籍
配転
(あした葉経営労務研究所 代表/株式会社キャリア・ブレーン 認定キャリア・コンサルタント 本田和盛)