公開日 2009.02.06 あした葉経営労務研究所
●安全配慮義務とは、判例によると「労働者の生命及び身体を危険から保護するよう配慮すべき義務」(川義事件 最高裁三小 昭59.4.10判決)と定義されている。
●「ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間において、当該法律関係の付随義務として当事者の一方または双方が相手方に対して信義則上負う義務として一般に認められるべきもの」(自衛隊八戸車両整備工場事件 最高裁三小 昭50.2.25変決)であり、使用者が負う労働契約の付随義務として最も重要なものである。
●安全配慮義務の具体的内容については「個々の具体的状況に応じて定まる」(高知営林局事件 最高裁二小 平2.4.20判決)が、裁判所においては、主に下記の内容について判断される。
・物的施設・環境を整備する義務
・人的配備を適切に行う義務
・安全教育・適切な業務指示の義務
・安全衛生法令を遵守する義務
●判例では、安全配慮義務は特別な社会的接触の関係に入った当事者間の義務であることから、下請企業の労働者が、社外工として勤務中に被災した事例において、直接の労働契約を締結していない発注元企業の安全配慮義務を肯定したケースがある(三菱重工業神戸造船所事件 最高裁一小 平3.4.11判決)。
■関連用語
労働契約
(あした葉経営労務研究所 代表/株式会社キャリア・ブレーン 認定キャリア・コンサルタント 本田和盛)