実質賃金

公開日 2009.02.03 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社


●物価の変動を加味した、実質的な購買力を示す賃金のこと。名目賃金を消費者物価指数で除して算出する。

●賃金台帳や給与明細等に表示される「名目賃金」は、物価が変動すれば購買力も変わることになるため、賃金の持つ価値を正確に反映したものとはいえない。
例えば、現在の名目賃金と20年前のそれとが同額であっても、それぞれの時点での物価水準が異なるため、両者の持つ価値(購買力)は違う。

●賃金の実質的な価値をとらえる場合には、名目賃金を消費者物価賃金で除した「実質賃金」が使われる。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」では、月ごとの実質賃金の変動を把握するために、名目賃金指数を消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)で除した実質賃金指数を公表している。この数値が増加していれば、賃金の持つ購買力が上昇し、労働者の生活水準が向上しているものと考えられる。

●なお、賃金の国際比較を行う場合には、各国の名目賃金を個人消費に係る購買力平価(各国の通貨の購買力を等しくするように算定された異なる通貨間の換算率)によって米ドルに換算したものを「実質賃金」としている。


■関連用語
名目賃金