公開日 2009.02.03 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
●市中に流通している貨幣単位で表された賃金のこと。「貨幣賃金」ともいわれる。
●名目賃金は、賃金台帳や給与明細等に記載される額面上の賃金支給額である。この金額は、経済情勢に応じた貨幣価値の変化が加味されないため、物価水準の変動により実質的な価値(購買力)が変わる。
●したがって、物価水準が異なる年代間の名目賃金を比較することには意味がない。このような場合には、名目賃金を消費者物価指数で除した「実質賃金」を使い、それぞれの金額が持つ実質的な価値を比較するようにしなければならない。
●物価の上昇率が5.0%である場合、名目賃金で3.0%の昇給が行われたとしても、賃金の購買力は低下している。すなわち、生活水準を維持するためには、物価の上昇率を超える名目賃金の昇給を行うことが必要となる。物価の変動が激しい状況においては、名目賃金ではなく実質賃金に注目したほうが、適切な賃金管理を行うことができる。
●なお、通常、賃金統計に記載されているデータは名目賃金なので、時系列の比較を行うときには、それぞれの調査時点における物価水準の違いに注意しなければならない。
■関連用語
実質賃金