ラッカープラン

公開日 2008.11.20 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社


●賃金総額を決定する方法の一つ。「付加価値×標準労働分配率」によって賃金総額を管理する考え方で、アメリカの会計士アレン・ラッカーにより提唱された。

●ラッカーは、アメリカの製造業の統計データを分析して、賃金総額と付加価値との間に高い相関関係があることを発表した。この付加価値との関係性に着目して賃金総額を管理する考え方がラッカープランである。

●日本において、ラッカープランは成果配分の考え方として広まり、主に賞与原資の決定において用いられてきた。
  【ラッカープランの賞与原資の算式】
  賞与原資=「(付加価値×標準労働分配率)-既に支払った賃金総額」なお、「標準労働分配率」は、過去の労働分配率を基に設定される。

●賃金総額を決定する方法としては、これ以外にも、売上高を基準としたスキャンロンプランもある。日本においては、(売上高が増加しなくても)コスト削減によって付加価値を増やせば賃金総額の増加が可能ということから、ラッカープランのほうが人件費管理として優れているものと考えている人が多い。

●ラッカープランは、スキャンロンプランと同様に、今日の人件費総額管理や業績連動型賞与に大きな影響を与えた考え方である。


■関連用語
 スキャンロンプラン
 付加価値
 人件費
 労働分配率