公開日 2008.11.20 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
●「昇給は生産性上昇の範囲内に抑えるべき」という賃金決定の考え方。日本経営者団体連盟(「日経連」)が、1970年の春季賃金交渉で提唱したもので、それ以降、長期にわたり、日本企業の経営者が昇給を考えるときの基本的な理論として使われていた。
●ここでいう「生産性」とは「実質国内総生産(GDP)/就業者数」を指している。1970年代前半は、GDP成長率の低下が見え始めたにもかかわらず、昇給率は毎年10.0%を超えていた。そのような中で「インフレを抑制し経済に安定化をもたらすには、昇給を生産性上昇に見合ったものにするべきだ」とした経営者側の主張が「生産性基準原理」である。
●1990年代に入り企業間の業績格差が拡大してくると、マクロ的な指標であるGDPを基準として個別企業の昇給を決定することに対する納得性が低下し、「生産性基準原理」という言葉は使われなくなってきた。
●最近では、「生産性基準原理」の考え方を応用して、付加価値等を基に自社の生産性を算出し、それを基準として人件費管理を行う企業も増えている。
■関連用語
労働生産性
ラッカープラン