2010年12月02日掲載

「交替代制」の勤務体制をとっている場合、暦日ではなく、連続24時間の非番(休息時間)を与えれば、休日を与えたことになりますか。


A 「休日」は、暦日(午前0時から午後12時まで)で付与する必要があります。ただし、例外的に継続24時間の休みでも認められる場合があります。

1.休日の意義

労基法(35条)は、「毎週1日」または「4週4日の休日」を与えなければならないと定めています。ここでいう「休日」とは、労働者が労働義務を課せられていない日のことをいいます。ある特定の日が「休日」といえるためには、暦日24時間の間、労働者が一切の労働(準備作業・後片付け・手待時間等を含む)から解放されていなければならないとされています(参考資料①)。例えば、休日の前日に午前0時を過ぎるまで深夜残業をした場合は、翌日は暦日24時間の休みが確保されていないので、「休日」とは認められません。

2.交替勤務の場合

午前9時から翌日午前9時までといった区切りで24時間ごとに労働と非番を繰り返す、一昼夜交替勤務については、継続24時間の休みが確保されていたとしても「非番」の日の休みは、「休日」とは認められません(参考資料②)。
ただし番方編成による交代制が就業規則等により制度化され、かつ番方交代が規則的に定められている場合には、継続24時間の休息を与えれば休日扱いとして差し支えありません(参考資料③)。

3.自動車運転手、旅館の場合

自動車運転手(タクシー・トラック等)については、業務の性質上長時間労働となることが多いことから通常の労働とは異なる規制がなされており、30時間以上の連続した休みを休日とすることが認められています(参考資料④)。
また、旅館業においては、1年間の法定休日数の少なくとも半数を暦日(午前0時から午後12時)で与えることを条件に、正午から翌日正午までを含む継続30時間以上の休息時間を休日扱いとすることを認めています(参考資料⑤)。

<参考資料>
①昭23.4.5 基発535号
②昭23.11.9 基収2968号
③昭63.3.14 基発150号
④平元.2.9 労告7(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準):連続30時間以上の休みによる休日のほか、1日の最大拘束時間、2週間を平均し た1日の拘束時間の上限、勤務と勤務の間における一定時間以上の休息時間の設定、連続運転時間の上限、1日および1週間の合計最大運転時間の制限等を定めている。
⑤昭57.6.30 基発446号

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)