トピックス

外国人対応、20県で未整備 国の労働トラブル相談 態勢強化が急務


 賃金不払いや過重労働、パワーハラスメントといった職場でのトラブル相談を受けるために国が全国に設置する労働相談窓口で、日本語を話せない外国人労働者向けのコーナーが、20県で英語も含めて整備されていないことが20日、厚生労働省や全国の労働局への取材で分かった。
 労働力不足を背景に、外国人技能実習生や働きながら学ぶ留学生などが地方でも急増。外国人労働者は昨年10月末で約91万人に達し、年内に100万人規模になる見通しだ。外国人労働者がトラブルを抱えるケースは今後も増加するとみられ、相談態勢強化が急務だ。
 窓口は、厚労省が設置する労働局や労働基準監督署の相談コーナー。地域ごとに外国人労働者の国籍の割合が異なるため、言語のニーズも違う。
 20県以外でも、東南アジアの言語に対応するのは東京労働局のタガログ語(フィリピン)のみで、技能実習生が急増するベトナムやインドネシアの言語で相談できる窓口はなかった。
 窓口新設や言語の拡充を検討している労働局や労基署はなく、多くは予算の問題を理由に挙げた。「外国人が来るのは年に数回しかない」(佐賀労働局)など、需要が少ないとする声もあった。多くが「対応できない場合は態勢が整う近隣の労働局を紹介する」とした。
 外国人労働者数が2800人程度の島根に対応できる窓口がある一方、5千人を超える新潟、石川、山口、香川、愛媛、熊本がないなど対応のばらつきもあった。
 厚労省は昨年6月、英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語で全国から相談を受ける電話サービスを始めたが、同省の担当者は「電話では込み入った相談へのアドバイスが難しい。各地域での需要を見極め、窓口拡充を図りたい」と話している。
 厚労省の集計によると、2015年に全国の窓口に寄せられた外国人労働者の相談は電話、対面合わせて約9600件あった。
(共同通信社)