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アプリで残業代計算 不払い防止へ、証拠に活用


 労働時間や残業代を計算し、証拠として残すスマートフォン向けアプリ「残業証拠レコーダー」を東京の弁護士らが開発し、無料で提供を始めた。長時間労働に悩む人たちを救うきっかけをつくるのが狙い。利用者はアプリに広告を掲載する各地の弁護士に直接相談が可能で、裁判や示談交渉で提出する証拠書類の作成も依頼できる。
 開発したのは、第二東京弁護士会の南谷泰史弁護士らでつくる会社「日本リーガルネットワーク」。同社によると、似たアプリは数種類あるが、弁護士が裁判の証拠を念頭に開発したものは珍しいという。南谷弁護士は「残業代の発生に気付かない人もいる。幅広く使ってもらい、サービス残業が当たり前という考え方がなくなってほしい」と話している。
 アプリは、まず勤務地を登録。利用者の端末の衛星利用測位システム(GPS)機能を使い、勤務地での滞在時間が労働時間として自動で記録される。ただ、勤務地が1カ所とは限らない営業職などの場合、手動での入力が必要になる。データはアプリ側のサーバーに保存され、利用者側は改ざんできない。
 開発に当たっては労働関係の判例などが参考にされ、フレックスタイム制で働く人も利用可能。全国の弁護士約50人が広告を掲載し、45都道府県の相談に対応する。
 南谷弁護士は都内の法律事務所に勤めた後、民間企業での会社員経験があり、社会保険労務士の資格も持つ。「企業側が残業代も払わずに過重労働を強いるのはおかしな話。労働者は遠慮せず、堂々と権利を主張すべきだ」と指摘する。
 広告を掲載する舘泰史弁護士(大阪弁護士会)は「労働時間の証拠集めの難しさを解決してくれるのではないか。弁護士自ら作ったアプリであり、裁判での証拠価値が高くなるだろう」と期待を寄せている。
(共同通信社)