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採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント [2021.11.12]

2021年11月


ProFuture株式会社/HR総研
代表 寺澤康介
(調査・編集: 主任研究員 松岡 仁)

 ProFuture代表の寺澤です。
 2023年卒向けのインターンシップが9月以降も盛んに開催されているほか、早い企業ではセミナーや面接選考も始まっているようです。今回から数回にわたり、2022年卒学生の本音の声を紹介していきますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
 今回は、HR総研が「楽天みん就」と共同で本年3月と6月に実施した「2022年卒学生の就職活動動向調査」の結果を基に、採用ホームページとインターンシップについて、学生の印象の良かった企業とその理由、そして逆に印象が良くなかった理由について取り上げます。印象が良くなかった例についても調査では企業名を挙げてもらっていますが、ここでは企業名は伏せさせていただき、共通する観点を紹介します。
 なお、今回の調査では1人1社しか投票できない形で実施しており、「最も印象の良かった」企業として回答していることになります。1票の持つ意味は大きいといえます。

シンプルかつ充実した社員情報の楽天グループ

 まずは、「採用ホームページ」を取り上げます。好感度の高かった企業の上位20位までをランキング形式でまとめた表が[図表1]です。本欄の9月掲載記事でも紹介しましたが、文系では、閲覧した採用ホームページは「10~14社」が最も多く21%、次いで「15~19社」と「20~24社」がともに15%などとなっており、「10社」以上を閲覧した割合は8割以上を占めます。理系は文系よりもやや少なくなるものの、「10社」以上閲覧した割合は65%と約3分の2に上ります。文系、理系ともに、より上位の大学グループ層ほど閲覧社数は多くなる傾向にあり、学生に評価される点を踏まえた採用ホームページづくりが求められます。
 では、どのような観点で学生は採用ホームページを見ているのかを検証してみましょう。

[図表1]印象の良い採用ホームページTOP20

順位 企業名 合計  
文系 理系
1 楽天グループ 95 81 14
2 カゴメ 71 44 27
3 ソニーミュージックグループ 52 42 10
4 味の素 50 27 23
5 ソニーグループ 48 9 39
6 NTTデータ 46 26 20
7 バンダイ 45 35 10
8 講談社 43 39 4
9 アクセンチュア 41 22 19
9 富士通 41 17 24
11 凸版印刷 40 30 10
12 博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ 37 28 9
12 花王 37 21 16
12 旭化成 37 16 21
15 日立製作所 35 17 18
16 トヨタ自動車 34 13 21
17 ニトリ 32 25 7
18 伊藤忠商事 31 25 6
19 オリエンタルランド 30 23 7
20 三井不動産 29 20 9
20 東海旅客鉄道(JR東海) 29 17 12

資料出所:HR総研「2022年卒学生の就職活動動向調査」(2021年3月・6月調査の合計。[図表3]も同じ)

 第1位は楽天グループ(2021年4月に楽天から社名変更)で、得票数は文系81票、理系14票、合計計95票となっており、2位のカゴメ(合計71票)3位のソニーミュージックグループ(同52票)に大きな差をつけています。なお、今回の調査は同社が運営する「楽天みん就」会員を対象としていますが、過去の調査結果を見ても、就職人気や採用ホームページ等への評価について、そのことが直接影響することはないと考えています。以下、学生からの理由コメントを抜粋して紹介します。

・内容がスッキリして分かりやすかった。IR情報のリンクがあり、必要な情報を集めやすかった(文系・旧帝大クラス)

・シンプルかつ余白がうまく使われていて、情報の見落としなどがない。多数の企業とは異なる形式ではあったが慣れると一番使いやすかった(文系・旧帝大クラス)

・ワクワクするような印象を持つデザイン、福利厚生や働き方などの情報が充実していた(文系・上位私立大クラス)

・こまごまと書いているのではなく、簡潔に大事なことを要約していたため見やすかった(文系・その他私立大)

・社員の方々の働きぶりが分かった。組織図が分かりやすかった(文系・早慶クラス)

・従業員の紹介ページが多く、キャリアのイメージがしやすかった(文系・上位私立大クラス)

・さまざまな役職の方のインタビューと一日のスケジュールを知ることができた(文系・早慶クラス)

 シンプルで分かりやすいデザイン・UIでありながらも、必要な情報がしっかり整理されており、社員の情報も充実しているという点が高く評価されたようです。

社員の思い、人柄が伝わってくるカゴメ

 2位のカゴメでは、社員メッセージに言及するコメントが多く、社員の人柄や思い、やりがいなどに共感する学生がとても多くなっています。

・食に対する思いや、製品を通して人々に何を届けたいのか、丁寧に綴られていて感動した(文系・旧帝大クラス)

・人事の方の温かさがホームページからも伝わってきた。「緊張せずに、等身大のあなたを知りたいです」というメッセージから人柄を重視している企業であることが分かった(文系・上位私立大クラス)

・社員の方の共通項として、「食に対して確かな使命を持ち、カゴメの製品を心から愛していること」を感じました。多くの社員の方のコメントを載せることで、働いている方一人ひとりの思いや、やりがいが伝わってきました。「健康寿命の延伸に貢献したい」という想いを実現するための取り組みが具体的に述べられていて、分かりやすかった(理系・中堅私立大)

・人柄があふれていた(理系・旧帝大クラス)

・社員一人ひとりの仕事や考えを紹介するページがあり、具体的なイメージができた(理系・上位国公立大)

 3位のソニーミュージックグループに対するコメントは、エンタメ企業らしさと「職種診断」に触れるものが多くなっています。

・すごくポップで、エンタメ企業らしいなと思った(理系・中堅私立大)

・採用ページでありながら、堅苦しくなく面白さがあった。採用ページは社風と同じである印象を受けるので、この会社は面白く明るい雰囲気があるのではと思えた(文系・上位私立大)

・デザインが凝っていて、幅広い職種の中で自分に合ったものを提案するための質問なども用意されていて、UIもPC・スマートフォンともに使いやすいものであった(理系・その他私立大)

・先輩インタビューや職種診断など、多角的視点で企業のことを知れるようなトピックがたくさんあった(文系・その他国公立大)

・ただ単に企業の説明がされるだけでなく、職種診断などコンテンツが盛り沢山でさすがだなと思った(文系・早慶クラス)

デザインだけでなく、働き方や方向性も重要

 4位の味の素への評価では、「ホワイト」という表現を使った、その働き方に言及する声が複数ありました。そう判断できるだけの情報が掲載されていたということでしょう。

・休日や給与、月残業時間がとてもホワイトで、地元に工場もある(文系・その他私立大)

・学生に求めているポイントが明確(文系・その他私立大)

・クイズ形式で社員の言葉を開いていくページがあった(文系・上位私立大)

 5位のソニーグループへの評価の理由は二つ。一つはシンプルで分かりやすいこと、もう一つは多くて詳しい情報量です。

・非常に明確で分かりやすかったし、洗練されていた(文系・上位私立大)

・選考についての情報は非常に詳しいし、理解しやすい(理系・旧帝大クラス)

・インターン、職種、各種制度、労働条件に関するすべての情報が明記されていた(理系・旧帝大クラス)

・たくさんの子会社や部門があるが、それを一つのサイトで一括管理していて分かりやすかった(理系・上位国公立大)

 6位のNTTデータはデザイン力とSDGsへの貢献が評価を受けています。

・インターフェースが同業他社のものより見やすかったと思う(文系・その他私立大)

・情報がきちんと公開されていて、かつまとまっていたので分かりやすかった(文系・早慶クラス)

・業界のシェアとSDGsへの貢献が高かった(文系・上位私立大)

企業によって評価ポイントはさまざま

 7位のバンダイでは企業イメージに呼応するかのように、「夢」「ワクワク」という言葉が目立ちます。

・夢やワクワクがどこよりも詰まっていた(理系・その他私立大)

・マイページを開くたびに、「遅い時間までお疲れ様です」など、その時間帯に合わせたメッセージが出てくる。また、社員の方々の楽しそうな写真も印象的(文系・上位私立大)

 8位の講談社への評価では、選考過程の開示が評価されています。

・正確な選考情報をポップに表現されていた(文系・上位私立大)

・昨年実績など選考データが詳しく掲載されていた(文系・旧帝大クラス)

 9位のアクセンチュアは、外資系コンサルらしさだけでなく、企業として目指したい方向性や取り組みの情報が評価されています。

・先進的なイメージを強く持てた。例えば、女性の社会進出やデジタルをいかに活用していくかという説明、どのようなシチュエーション下においてクライアントからアクセンチュアが必要とされるかについて分かりやすく書いてあった(文系・早慶クラス)

・企業として目指したい方向性や社会的価値提供について簡潔に明快に表示している。また、非常に見やすいホームページの設計をされていると感じた(文系・早慶クラス)

 同じく9位の富士通は、採用ホームページに多くの社員が登場し、職種ごとや新入社員などの多様な切り口で説明している点が評価されています。

・男女ともにいろいろな視点からの魅力が書かれており、働くイメージがしやすかった(理系・上位私立大)

・職種ごとの社員インタビューが詳細であった(理系・中堅私立大)

・新卒の多様な個性を汲み取ろうとする姿勢を感じた(文系・旧帝大クラス)

情報量が多すぎても逆効果

 一方、学生の評価が悪かった採用ホームページの理由はどうでしょうか。前項までに見てきた評価が高かった採用ホームページと真逆のつくりに対して、厳しい言葉が並びます。

・就活生向けの企業の紹介動画で福利厚生の話がメインで、実際の働き方や仕事内容が分からなかった。強みがない会社だと感じた(文系・旧帝大クラス)

・将来こうなる、という説明などがキラキラしすぎており、現実味がなかった(文系・その他私立大)

・アニメーションが多く見にくい、業務内容が伝わりにくい(理系・旧帝大クラス)

・デザインよりも内容を重要視していたのか、あまり力が入っていないように見えた(理系・その他国公立大)

・コンテンツが乏しいわけではなかったが、いくつかのブラウザに分かれたりして、煩雑で分かりにくい作りだった(文系・旧帝大クラス)

・反応が遅い、ゴチャゴチャしている、色が統一されていない(文系・上位私立大)

・タグが上部にずっと出ており、実際にページが見える範囲が狭かったので、とても見にくかった(理系・早慶クラス)

・複雑で分かりにくかった。欲しい情報にたどり着きにくい(理系・早慶クラス)

・何をしているのか分かりにくかった。カタカナが多かったから、いちいち検索するのが面倒だった(文系・上位私立大)

・情報量が多すぎて、伝えたいことが分かりにくかった(理系・上位国公立大)

・知りたいことがホームページに載っておらず、情報収集が困難だった(文系・早慶クラス)

 採用ホームページを作る上でのポイントは、以下になりそうです。

(1)学生目線に立ったシンプルなデザイン・UIが考えられていること(アニメーションの多用は逆効果)

(2)情報量が多ければよいのではなく、分かりやすく整理され、必要な情報にたどり着きやすくなっていること

(3)職種やキャリア情報は、学生が将来をイメージできるものに

(4)企業としての価値観、メッセージが伝わること

(5)明解な選考情報があること

 なお、つくりとして論外な採用ホームページへのコメントがこちらです。

・「募集期間中にも関わらず応募ページに進めなかった」(理系・上位国公立大)

2年連続トップのニトリ

 次に、インターンシップについても見てみましょう。1人当たりのインターンシップ参加社数は年々増えており、ただ何となく開催して早期に関心層のリストを入手することだけが目的にならないように、注意しましょう。
 インターンシップに参加する学生は、その企業や業界に何らか関心を持っている学生が大半です。しかし、参加したインターンシップ先の企業すべてに正式応募をした学生の割合は、文系で20%、理系で26%にとどまります[図表2]。文系の14%、理系の12%に至っては、インターンシップに参加しても1社にも応募していないと回答しています。

[図表2]インターンシップ参加企業への応募状況

資料出所:HR総研「2022年卒学生の就職活動動向調査」(2021年6月)

 企業は、インターンシップで自社への理解を深め、志望度をさらに高めてもらうことを期待して行うわけですが、プログラム内容や対応の仕方次第では、逆に参加したことによって志望意欲を減退させ、就職先候補から外されてしまうことも多々あるということです。
 では、志望度をさらに高めることに成功した、好印象を与えることができた企業はどんなことをしていたのでしょうか。[図表3]は、文系・理系の合計得票数の上位20位までのランキングです。

[図表3]印象の良いインターンシップTOP20

順位 企業名 合計  
文系 理系
1 ニトリ 70 58 12
2 三井住友海上火災保険 31 30 1
3 東京海上日動火災保険 26 21 5
3 楽天グループ 26 25 1
5 凸版印刷 24 15 9
6 講談社 20 19 1
7 旭化成 19 15 4
7 NTTデータ 19 8 11
7 第一生命保険 19 17 2
7 バンダイ 19 17 2
11 京セラ 18 3 15
12 Sky 17 9 8
12 トヨタ自動車 17 11 6
12 富士フイルム 17 13 4
15 ジェーシービー 16 14 2
16 旭化成ホームズ 15 9 6
16 JTBグループ 15 15 0
16 東海旅客鉄道(JR東海) 15 6 9
19 三井不動産 14 10 4
20 アクセンチュア 13 10 3
20 ソニーグループ 13 3 10
20 西日本電信電話(NTT西日本) 13 9 4

 第1位は、昨年に引き続きニトリです。得票数の70票は、2位の三井住友海上保険(31票)の2倍以上となっており、断トツの数字といえます。さらに驚くべきは、理系からの支持です。TOP20の企業の中では、京セラ(理系15票)に次ぐ第2位の12票を獲得しています。NTTデータ(同11票)、ソニーグループ(同10票)といった、理系の就職人気企業ランキングで上位の常連企業をも上回っているのです。
 では具体的な理由コメントを見てみましょう。業界や自社のことだけでなく、就職活動全般に対する支援、多彩な職種(部署)を体感するグループワーク、そして丁寧なフィードバックが評価されているようです。

・就活の進め方についてからレクチャーしてくれるサマーインターンだった。就活生を一から応援してくれる姿勢が伝わってきた(文系・早慶クラス)

・就活の進め方や自己分析の参加型セミナー。就活のやり方や人事からの見え方など、手厚くフォローがもらえた。また、さまざまな事業部の業務を4日間通して学ぶことのできるインターンなど、充実したプログラムだった(文系・上位私立大)

・学生にあらゆる経験をしてもらいたい、という想いがすべての担当社員から感じられた。あらゆる部署を体験できるインターンシップだった(文系・早慶クラス)

・部門ごとに4時間ほどのインターンシップが開かれており、自分の興味のある部門のみ参加できた。社員からのフィートバックが良かった(文系・上位私立大)

・初めて参加したインターンシップでしたが、フィードバックも丁寧でやるべきことが分かり、就職活動を行う上で糧になったインターンシップでした(文系・その他私立大)

・実際の業務を体験できることが楽しかった、リクルーターの方が皆さん優しく、対面でもたくさんお話ししてくださった(理系・その他私立大)

・人事の方がとても学生にラフに話しかけてくれる(理系・上位国公立大)

社員・内定者の参加が高評価の損保2社

 2位の三井住友海上保険も、ニトリと同様にフィードバックを評価する声が多く、さらに社員や内定者のフォローについてのコメントも目立ちます。4日間のプログラムを通じて、同じグループのメンバーとの親交を挙げる声もあります。

・座談会が多い。1班に1人内定者がついてフィードバックをしてくれる、業務体験ワーク。リスクを探し出し、どう解決していくか考えるというもの(文系・上位私立大)

・丁寧なフィードバックが4日間毎日あった(文系・旧帝大クラス)

・オンラインでの開催にもかかわらず、社員の方との距離が近く、業界理解に十分な機会だと感じた(文系・早慶クラス)

・内定者の方はもちろん社員の方が、その人たちにとってプラスになり得ないような学生に対しても誠実な対応をしてくれた(文系・その他私立大)

・体感ワーク、新規事業立案。グループメンバーと一番距離が縮まり非常に充実した4日間だった(文系・旧帝大クラス)

・4日間密度が濃い時間を過ごせた上、参加していた就活生と非常に仲を深められた(文系・早慶クラス)

 3位は同じ損保業界の東京海上日動火災保険。幅広い部署、役職の社員、さらにはオンラインだからこそ可能な海外駐在員のリモート参加など、とにかく多くの社員との語らいの場を評価する声が多くなっています。

・さまざまな年次の人と話せたこと、レベルの高いワークを体感したことなど常に飽きることなく挑戦できた(理系・旧帝大クラス)

・新規事業創造グループワーク。規定時間終了後も居残って課題を進める学生に、社員の方も自らの時間を削ってアドバイスやブラッシュアップに積極的に協力してくださった(文系・旧帝大クラス)

・とにかく丁寧で、コロナ禍で社員訪問の機会が限られている就活生に、インターンシップ内で幅広い部署、役職の社員の方々とお話をする機会を非常に多く設けてくださった(文系・上位私立大)

・講義、グループワーク、座談会を通じて、包括的に会社を理解することができた。グループワークでは優秀なメンバーとともに活動できたのも刺激となった(文系・旧帝大クラス)

・あまり興味がなかった業界ではあったが、大変細やかな座学によって業界への理解を深めてくださった。さらに部長や課長、海外駐在員とのリモートでの対話も実現してくださり、最も密度の濃いインターンシップだと感じた(文系・旧帝大クラス)

実際の事例を使ったグループワークが高評価

 同じく3位の楽天グループは、いくつものプログラムがあったようですが、丸1日かけたプログラムを挙げる声が少なくありません。また、営業や法務、開発など、オンラインといえどもそれぞれの部門のリアルに近い体験を提供している点も評価されています。

・オンラインでありながら、グループワークを行ってくれた点が良かった。オンラインインターンシップは2時間程度の企業が多い中、6時間ほどあり、会社を詳しく知ることができた(文系・その他国公立大)

・1dayだったが朝から夕方までみっちり営業ワークを体験できた(文系・早慶クラス)

・社員と参加者の両者とも優秀さと熱量が素晴らしかった。フィンテック部門で、オンライン上だがグループワークを通して実際の営業を体験することができた(文系・上位国公立大)

・さまざまな仮想の店舗を訪問し、楽天カードの加盟店になってもらう営業をするというもの。実際に行われていることの疑似体験ができたため、勉強になった(文系・早慶クラス)

・テーマに沿ってグループで解決すべきこと、解決方法などを考え、実際にアプリケーションのプロトタイプを作成する(理系・中堅私立大)

 5位の凸版印刷は、グループワークのテーマに過去の企業活動で実際にあった事例を取り上げるなどのプログラム内容が評価されています。

・営業の仕事内容として、実際にあった事例(例えばチロルチョコの売上をもっと上げるためには)を使ってグループディスカッションを行った(文系・中堅私立大)

・グループワークで新しい商品を考えるプログラム。人事からしっかりとしたフィードバックがあったため印象が良かった(理系・その他国公立大)

・企業で実際に働く様子をイメージできた。フィードバックも良かった。グループワークが大変だが楽しかった(文系・上位国公立大)

 6位の講談社は、座談会と質問タイムで構成され、学生が参加するグループワークはなさそうですが、それでも高く評価されています。座談会の内容と、質問への真摯な対応が評価されたのでしょう。

・「講座」とあって、社員の座談会をのぞくようでとても興味深かった。業務理解や、新しい取り組みなど雰囲気の良さが伝わった(文系・早慶クラス)

・いろんな社員のお話を聞くことができた、課題の内容が面白かった(文系・上位私立大)

・質問に何でも答えていただけた。柔らかい雰囲気で社員の方も気さくで楽しかった(文系・その他国公立大)

・海外営業の仕事がリアルに分かって面白かった。ホームページを見るだけでは分からない情報を多く得られた(文系・上位国公立大)

メインプログラムだけでなく、フォローも含めたデザインを

 7位には、旭化成、NTTデータ、第一生命保険、バンダイの4社が並びました。
 旭化成は、インターンシップ用に作成したゲームが高い評価を得たほか、参加後には自宅に資料を届けるなどのフォローにも抜かりがないようです。

・1dayながらコンテンツ内容が多かった。インターン後に資料も自宅に送ってくれた。プログラム内容は独自のゲームをグループワークで行う。インターンのためにゲームを作るなど他社にはないゲームの開発力なども感じた(文系・早慶クラス)

・企画営業のゲーム。内容がゲーム方式でオンライン形式ならではのやり方で、新しいと思った。インターンシップだけのために作ったそうで、ありがたく感じた(文系・旧帝大クラス)

・ゲーム形式で企画営業を学ぶことができた。お金や手間がかかっている上、分かりやすかった(理系・旧帝大クラス)

 NTTデータは、1対1で面談や親睦会など、メインプログラムの内容以外でも評価を得ています。

・4日間全力で駆け抜けるプログラムになっていて達成感があったし、オンラインなのにメンバーとも仲良くなれた。主催者の方々は、1対1で面談する機会もインターン中に作ってくださり、ここまで学生を思うインターンは初めてだと思った。プログラム内容はとある企業にITシステムを提案するもの(文系・早慶クラス)

・金融業界へのソリューション提案をした。プログラム外でも親睦会などを開いてくださり、社風がよく分かった(文系・旧帝大クラス)

・社員の人が、学生を一新入社員として見てくれて、成長につながったと思う(理系・旧帝大クラス)

 第一生命保険は、オンライン型と対面型の両タイプがあり、それぞれのインターンシッププログラムもさることながら、その後のフォローにも評価が集まっています。中にはアバターを挙げた学生もいます。募集、選考、当日運営、企業側の参加者、参加後のフォローといった、当日のプログラム内容だけでなく、一連の流れや対応にも気を配る必要がありそうです。

・いち早く、オンラインでの社員との交流の場を多く設けてくれたため、実際に働くイメージを抱きやすかった(文系・その他私立大)

・対面で行われ、先輩社員とたくさん話すことができ、1日で業務体験もできた(理系・上位国公立大)

・参加者の特典として、次々に人事面談やオフィス見学の案内が来た(文系・中堅私立大)

・アバターで参加するのが新しかった(文系・上位私立大)

 バンダイを選択した学生のコメントには、社員の雰囲気や対応を評価するものが多くありました。

・社員の雰囲気や、質問に対して丁寧に答えてくださるなど態度が良かった(文系・上位私立大)

・社員の方々の仲の良さが伝わり、働く楽しさを感じた(文系・上位国公立大)

・社員の方々が就活生に大変寄り添ってくれ、最初から最後まで丁寧な対応、かつ楽しい内容だった(文系・上位私立大)

・新入社員が登壇するセミナー形式のインターンシップ。社員の方のフランクな雰囲気が伝わってきて入社意欲が増した(文系・上位国公立大)

オンライン2年目で工夫が広がったインターンシップ

 コロナ禍でのインターンシップも今年で2年目。それまで対面でやっていたプログラム内容をそのままオンラインに置き換え、グループワークはZoomのブレイクアウトルームを利用し、社員が各グループを順に回って観察、フォローするという一般的な方式は確立されたようです。中には、専用のゲームを開発した企業、顔を表出しすることなくアバターでの参加形式にした企業、リアルでは会うことのできない海外駐在員を参加させた企業など、オンラインだからこそできることを採り入れる企業も現れています。
 オンラインインターンシップ参加者がPCモニターを見続けるのは、対面型のインターンシップに参加するより大変な面もあります。オンラインで行われる講師の一方的な講義に対して、集中力が続くのはせいぜい15分だという識者もいます。参加者を飽きさせないためには、こまめにオンラインアンケートを実施したり、簡単なグループワークを挟んだり、今回のいくつかの企業の例のようにゲーム性を持たせたりといった、双方向型・学生参加型の内容を盛り込むことが有効です。また、講義だけでなく、複数人でのセッションや座談会を採り入れたり、普段会うことのできない人をゲストに招いたり、オフィス・研究所見学の映像を挟んだりといった画面の切り替えを頻繁に行うことでもよいでしょう。
 そして忘れてならないのが、ワーク後のフィードバックです。インターンシップは、参加したことによって本人に「学び」や「気づき」があったかどうか、これもとても重要なポイントです。ワークのやりっぱなしにならないよう、十分に注意しましょう。
 また、インターンシップに参加してくれたことで満足するのではなく、少人数制での会社見学やOB/OG懇談会を対面式で企画したり、会社の資料を郵送したり、リクルーターから個別に連絡を取る、あるいは早期選考会を案内するなど、開催後のフォローまでをワンパッケージで考えることも大切です。

評価の低いインターンシップとは

 最後に、学生の評判が良くなかったインターンシップの例をいくつか紹介します。グループワークのない講演形式だけのインターンシップや、拘束時間とプログラム・課題内容にギャップのある(バランスが取れていない)インターンシップ、社員の雰囲気や進行のまずさが目に付くインターンシップを挙げる声が多くなっています。自社のインターンシップに思い当たるところがないかどうか、ぜひチェックしてみてください。

・インターンシップを主催する側の社員の方たちがグダグダしすぎてマネジメントができていなかった。事業内容には興味があったのに、インターンに参加することで選考を受けるのをやめることを決意した(文系・上位私立大)

・コロナウィルスの影響で5日間が1日半に短縮され、昨年の体験談と比較すると大幅に内容が削減されていた(理系・旧帝大クラス)

・さまざまな部署の社員の方々にお話を聞くという形式だったが、総じて笑顔がなく、仕事にやりがいを感じていないようだった。雰囲気が最悪のインターンシップだった(文系・旧帝大クラス)

・インターンプログラムの内容が募集時から大幅に変更された(文系・上位私立大)

・あまり教育してもらえないが、発表の時間だけが多かった(文系・上位私立大)

・講義形式ばかりで、グループで取り組むことがほとんどなかった(文系・早慶クラス)

・休憩が少なく、一日中オンラインでの座学が中心だった(文系・上位国公立大)

・調べれば分かるようなことを説明されたため、参加するメリットがよく分からなかった(理系・その他国公立大)

・5日も拘束したにもかかわらずグループワークしかせず、仕事について一切理解できなかった(理系・上位国公立大)

・グループワークは基本的に社員の方は入ってこず、自由な環境だったため、実際に働くイメージがつかみづらかった(理系・その他私立大)

・1dayインターンシップに参加したが、1日で行うにはプログラムが重すぎた(理系・上位国公立大)

・毎日の課題が重く、毎日残業していた(文系・早慶クラス)

・内輪ネタが多かった気がする(文系・上位国公立大)

・参加者は完全なる抽選制と言われていたが、いざ参加すると高学歴大学生しかいなくて、あれ? と思った(理系・上位国公立大)

・会社説明が多く、インターンシップと説明会の違いが分からなかった(文系・上位私立大)

・グループワークを行ったのみで、フィードバックもなく、学ぶものが少なかった(文系・上位国公立大)

 次回は、個別企業のセミナー・説明会、面接官の評価について取り上げます。

寺澤 康介 てらざわ こうすけ
ProFuture株式会社 代表取締役/HR総研 所長
86年慶應義塾大学文学部卒業、文化放送ブレーンに入社。営業部長、企画制作部長などを歴任。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。07年採用プロドットコム(ProFuture)を設立、代表取締役に就任。約25年間、大企業から中堅・中小企業まで幅広く採用コンサルティングを行ってきた経験を持つ。
著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』(HRプロ)。
http://www.hrpro.co.jp/

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