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採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント [2016.02.12]

2016年2月


ProFuture株式会社/HR総研
代表 寺澤康介
(調査・編集: 主任研究員 松岡 仁)


 ProFuture代表の寺澤です。
 1月28日、新聞各紙に三井住友銀行の第二新卒採用の記事が掲載されました。それによると、今春より大卒で社会人経験が2~4年の第二新卒者の採用を開始するとのこと。銀行といえば、最近でこそキャリア採用にも力を入れるようになってきましたが、かつては新卒でしか入社ができない業界といわれたものでした。
 同行の2015年度の実績では、キャリア採用が162人(2016年1月現在)に対して、昨春入行の新卒採用は1813人と、今も新卒重視の採用であることに変わりはありません。今回の第二新卒の採用枠は、20~30人と決して多くはないものの、どんな人材の応募が集まるのか、またどれだけの応募が集まるのか興味深いところです。優秀な人材が集まるようであれば、今後は新卒採用枠の一部を第二新卒採用枠に振り分けることもあり得るでしょう。新卒で1800人規模を採用するためには、内定者間にかなりのレベル差が生じているものと推測できます。同行の今回の第二新卒採用は、4~5月に募集し、7~8月に選考、入行時期は10月の予定とのことです。

社員の影響が強くなった2016年卒採用

 採用スケジュールが繰り下げられた2016年卒採用では、大手企業と中小企業の選考時期の逆転現象、採用活動期間の長期化、オワハラや内定辞退の増加などが何かと話題になりましたが、学生の意識調査を見るともう一つの特徴が浮かんできます。それは、「入社志望度に与える社員(リクルーター)の影響力」です。
 [図表1]は文系学生、[図表2]は理系学生の「入社志望度に与える社員(リクルーター)の影響力」の過去3年の推移です。文系で見てみると、「非常に影響した」とする学生の割合は、2014年卒16%、2015年卒20%と漸増だったのに対して、2016年卒採用では38%と2倍近くに伸びています。「非常に影響した」と「影響した」を合わせた割合は、2014年卒と2015年卒がいずれも70%に対して、2016年卒では80%にまで伸びています。
 製品や技術に関心があり、あまり人の影響を受けなさそうなイメージのある理系学生ですら、「非常に影響した」とする学生の割合は、2014年卒18%、2015年卒20%に対して2016年卒は34%と急伸しています。

[図表1]入社志望度に与える社員(リクルーター)の影響力(文系)

資料出所:HR総研調べ。調査対象は楽天「みんなの就職活動日記」会員の就活生(以下図表も同じ)

[図表2]入社志望度に与える社員(リクルーター)の影響力(理系)

 背景にあるのは採用手法の変化です。採用広報解禁から面接選考解禁までの期間は、それまでの倫理憲章における4カ月から、採用指針になって5カ月に延びました。それに伴って、多くの企業が学生との接点(セミナー)の機会を増やしたわけです。OB/OG懇談会であったり、ジョブフェアであったりと、説明が中心の一般的なセミナー・説明会とは異なり、より社員と間近に接してコミュニケーションがとれるようなタイプが増えました。また、リクルーター制を採る企業が増えたことも影響していると思われます。
 就職ナビや採用ホームページ、SNSといったネット上における「バーチャル」な社員情報の閲覧ではなく、「リアル」な社員との相互コミュニケーションによって、「共感」による志望度の向上が図られた結果なのだと思います。

短期化の中でどう接点を持つか

 2017年卒採用はご存じのように、面接選考解禁が8月1日から6月1日に前倒しになります。採用広報解禁は3月1日のままですから、5カ月に延びた広報期間が一転、3カ月に短縮されてしまうわけです。倫理憲章の時代よりも短くなるのです。
 昨年と同程度の機会を創出することは物理的に無理があります。では、学生と社員とのコミュニケーションの機会をどうつくればよいのでしょうか。答えは、"対面形式だけがコミュニケーション機会ではない"ということです。ネット上だけの「バーチャル」な関係との違いは、1回でも直接会っているかどうかです。お互いを認識し合った関係であれば、必ずしもリアルな対面が毎回必要なわけではありません。採用・就職活動も、日常における人間関係と何ら変わりません。フォローは、電話でもメールでもいいのです。

学生の立場で接する社員・リクルーターに好印象

 HR総研が2016年卒の学生を対象に行ったアンケートで、就活先で接して、「印象のよかった社員・リクルーター」がいた会社を1人1社ずつ答えてもらいました。回答結果は[図表3]のとおりです。学生との面談数が多い企業が上位に来ることはご了承ください。
 ここで上位に上がった各社について、寄せられたコメントを紹介したいと思います。

[図表3]「印象のよい社員・リクルーター」がいた会社TOP10

順位 企業名 回答数
1 三井住友銀行 23
2 損保ジャパン日本興亜 17
3 日本郵政グループ 15
3 東日本旅客鉄道(JR東日本) 15
3 東海旅客鉄道(JR東海) 15
3 みずほフィナンシャルグループ 15
7 全日本空輸(ANA) 14
8 日本航空(JAL) 13
8 りそなグループ 13
8 パナソニック 13
8 JTBグループ 13

●第1位:三井住友銀行

・1対1でじっくりと、何回も話ができたから(上位私立大、文系)

・就職活動相談会での社員の方が丁寧に就職活動についてアドバイスをくださったので、自分の会社に来てほしいというわけではなく、素直に応援してもらえている感じがしてうれしかった(上位私立大、文系)

・自行のことだけでなく、自分の就職活動全体のアドバイスを親身になってしてくれたから(早慶クラス、文系)

・非常に親身だった。また、フェアな対応をしていただいた(旧帝大クラス、文系)

・今の自分の駄目な点をあえて、ご指摘いただけたから(上位私立大、文系)

・職種を迷っていることを相談した際に、分かりやすく親身に相談に乗ってくださったため(上位国公立大、文系)

・成績とか経歴というような表面的なことではなく、その人の人間性を見てくれていると感じたから(その他私立大学、文系)

・親身になって話を聞いてもらえたから(中堅私立大、文系)

――コメントを見ると、「親身」「就職活動のアドバイス」「1対1」といったキーワードが浮かび上がってきます。自社のPRだけに気を取られることなく、自分が学生だったら何に不安を感じているかを考えた対応が必要だということです。

●第2位:損保ジャパン日本興亜

・対応が常に丁寧だったため(その他国公立、文系)

・丁寧に質問に答えていただいた(上位国公立大、文系)

・幅広い年代の方に合わせてもらったから(その他国公立、文系)

・非常に親身になって就職活動についての相談を聞いてくださり、自分の頑張りを認めていただいた(中堅私立大、文系)

・面接前に話をして緊張を和らげてくれた。面接中も大丈夫だよとその都度声をかけてくれたため(中堅私立大、文系)

・対応してくれた二人ともいつでも連絡してくださいと言ってくれたこと(上位国公立大、文系)

・会社や仕事について、さまざまなことを聞けたから(上位私立大、理系)

――ここでは「丁寧」「幅広い年代」「面接前のフォロー」といったキーワードが浮かんできます。

●第3位:日本郵政グループ/東日本旅客鉄道(JR東日本)/東海旅客鉄道(JR東海)
/みずほフィナンシャルグループ

[日本郵政グループ]

・小さな疑問にも丁寧に答えてくれた(上位私立大、文系)

・ホームページや説明会だけでは分からないグループの業務内容などを教えていただいた。また、エントリーシートや面接に関する相談にものっていただいた(中堅私立大、文系)

・社員の方と話す機会がたくさんあったが、どの役職の方も優しく対応してくれた(早慶クラス、文系)

・どの社員の人も一貫して穏やかで優しかった。親身に対応してくださった(旧帝大クラス、文系)

・道に迷って遅れてしまったときも対応が温かかった(旧帝大クラス、理系)

[東日本旅客鉄道(JR東日本)]

・仕事内容について話をしているときの表情がいきいきとしていてとても素敵だった(上位国公立大、文系)

・学生の質問に対し非常に丁寧に回答していただけたこと。仕事説明などにおいて資料をしっかりと用意し、口頭説明だけでなく、写真などを通じて仕事内容を教えていただき、こちらの理解が十分に得られるような工夫をしていたこと(その他国公立、理系)

・社会人としてのアドバイスをくれた(上位私立大、理系)

・仕事をしている人が楽しそうだった(その他私立大学、理系)

・喫茶店で個人説明会を開催してくれたため(その他国公立大、理系)

[東海旅客鉄道(JR東海)]

・どんな質問でも回答してもらえた。どのような人物像になってほしいのか明確な答えを出しており、夢の大きな方に魅力を感じられると思った(中堅私立大、文系)

・さまざまな話で志望動機を補強してくれたから(上位私立大、文系)

・エントリーを促す電話をくれた(旧帝大クラス、文系)

・わざわざお忙しい中、最終面接の練習をしてくださった(早慶クラス、理系)

・内々定が決まったときに、わざわざ電話で連絡をくれた(早慶クラス、理系)

・ES提出前から電話で就活状況を気にかけてくれていた。また、選考が進むたびに電話をいただき、親身になって話を聞いてくれてアドバイスをしていただいたため。また、社員懇談会で話す人々が温かくて、この環境で働きたいと思えるとともに実際に働く姿を想像できた(上位国公立大、理系)

[みずほフィナンシャルグループ]

・学生目線で対応してくれた(上位私立大、文系)

・学生に対し真摯に向き合ってくださいました(中堅私立大、文系)

・自己PRをもっとこうしたら良いと、具体的なアドバイスをしてもらえた(その他私立大学、文系)

 次回は、いよいよ採用広報解禁の3月になります。印象のよい会社説明会・セミナーについてのコメントを紹介したいと思います。

寺澤 康介 てらざわ こうすけ
ProFuture株式会社 代表取締役/HR総研 所長
中央大学大学院 戦略経営研究科 客員教授

86年慶應義塾大学文学部卒業、文化放送ブレーンに入社。営業部長、企画制作部長などを歴任。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。07年採用プロドットコム(ProFuture)を設立、代表取締役に就任。約20年間、大企業から中堅・中小企業まで幅広く採用コンサルティングを行ってきた経験を持つ。
著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』(HRプロ)。  http://www.hrpro.co.jp/

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