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採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント [2015.04.10]

2015年4月


ProFuture株式会社/HR総研
代表 寺澤康介
(調査・編集: 主任研究員 松岡 仁)


 HRプロ代表の寺澤です…と、このコーナーで毎回書き出していましたが、4月1日より弊社は社名を変更し、HRプロ株式会社からProFuture(プロフューチャー)株式会社になりました。
ということで今後は、
「ProFuture代表の寺澤です。」
との書き出しになりますので、何とぞよろしくお願いします。

 さて、ここでなぜ社名を変更したかをご説明したいと思います。
 その前にまず言っておかなければならないことは、人事ポータルサイト「HRプロ」の名称は変わらず、今後より一層強化していくということです。
 では、なぜ社名を変更したかということですが、従来から6月に開催している人事向けイベント『HRサミット』の開催に併せて、新しく『経営プロサミット』を開催するとともに、8月からは経営者向けポータルサイト「経営プロ」を開始するため、サイト名「HRプロ」をそのまま社名にすることをやめようと考えたということです。「HRプロが運営している経営プロとHRプロ」というと何となくややこしいな、という単純な理由がきっかけです。ただ、新しい社名「ProFuture」には思いをしっかりと込めています。
 その心は、
 「プロの未来をデザインする」
 ――ということです。
 変化の激しい現代、時代を切り拓いていくビジネス・プロフェッショナルは、ひとところにとどまることは許されません。変化の中で常に学び直しながら専門性を獲得し、新しい時代のプロになっていく必要があります。私たちはそうした方々へのサービス支援をしっかりと行っていきたいと考えています。その思いを込めて、「プロの未来をデザインする→ProFuture」と社名を決めました。
 社名変更に伴い私たち自身がより一層新たなチャレンジを行い、皆様のお役に立ちたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

強化されるリクルーター

 さて、4月になり、企業の採用活動はますます盛んになってきたようです。昨年までであれば4月1日より選考開始となっていましたから、超大手企業も連日のように堂々と面接を繰り返し、1週間が経過した今ごろにはかなり多くの内々定が出されていたものです。中には、選考解禁日の1日の夜にはすでにメガバンクをはじめとする大企業の内々定を保有する学生も現れるなど、3月までに水面下での接触があったと考えられるケースが多数見受けられました。そこで活躍していたのが今回取り上げる「リクルーター」です。
 人事担当者が表だって学生の面接ができない中、大学ごとに任命されたリクルーターが、自社の応募者の動機形成の役割を担うかたわら、予備選考の役割も担っていたわけです。4月1日は、「選考開始日」ではなく、面接に来れば内々定という「最終選考日」あるいは「踏み絵の日」になっていたわけです。
 リクルーターの導入状況について調査したところ、「導入した(する予定)」の企業は全体で29%でしたが、そのうち「前年は導入していないが、今年は導入した(する予定)」とする企業は12%にも上っています[図表1]。リクルーター導入(予定含む)企業の3分の1以上は、今年から導入したことになり、昨年比では、リクルーター導入企業は1.5倍以上になったことを表しています。

[図表1]リクルーターの導入状況

 1001名以上の大企業に限ると、「前年同様に導入した」29%、「前年は導入していないが、今年は導入した」13%と、今年は4割以上の企業がリクルーターを導入しています。ただ、中には「前年は導入したが、今年は導入しない」とする企業も4%と、わずかながらあります。後ほど触れますが、リクルーターは良い面だけではなく、実際に導入してみるとその難しさも分かってきます。

ターゲット大学の若手OB・OGがリクルーターに

 次に、社内のどのような人材をリクルーターとして指名しているのかを見てみましょう[図表2]。最も多いのは「ターゲット大学のOB・OG」で71%にも上ります。同じ大学のOB・OGとして、学生に親近感を持たれやすい人材を選んでいるのが分かります。次いで多いのは、「入社5年目以内の社員」の54%となっています。世代的に学生と近い方が話も弾むということなのでしょうが、役職者でないほうが学生の警戒心も薄まって、本音ベースの話ができそうだという考えもありそうです。得票が過半数を超えたのは、この二つだけでした。つまりは、「ターゲット大学の20代のOB・OG」がリクルーターの代表例ということになります。

[図表2]リクルーターに指名する人材

 「管理職」を起用している企業は企業規模にかかわらず14~15%ですが、「内定者」を起用しているのは、大企業7%、中堅企業27%、中小企業34%と、企業規模が小さいほど起用している割合は多くなっています。「新入社員」の起用割合も同様で、大企業15%、中堅企業35%、中小企業38%と、企業規模が小さいほど起用している割合は多くなっています。中小企業では、既存社員が本業以外のリクルーター活動に協力する余裕がないのかもしれません。

数百名のリクルーターを組織する大企業

 何名くらいの社員をリクルーターに起用しているのかも見てみましょう[図表3]。中堅・中小企業では、「未定」も含めればいずれも96%とほとんどの企業が「20名以下」にとどまっており、4%の企業が「21~50名以下」で、「51名以上」は皆無という状況です。大企業では、「20名以下」が48%で最多ですが、「101~300名以下」といった数百名規模のリクルーターを組織する企業が11%もあるなど、採用人数規模に応じた数のリクルーターを指名しているようです。

[図表3]リクルーターの人数規模

 リクルーターの活用シーンでは、「研究室訪問」「学内企業セミナー」といった母校へのアプローチが48%で最も多く、次いで「内定承諾後のフォロー」45%、「自社セミナー」43%、「OB・OG訪問」41%、「選考中のフォロー」40%が続きます[図表4]
 大企業とそれ以外の企業との違いを見てみると、大企業は「業者主催の合同セミナー」での活用はわずか8%と少なくなっています。全学生が対象のマス型イベントでは、特定の大学のリクルーターだけを数名帯同したところであまり意味はないということなのでしょう。リクルーターによる応募者のフォローという点では、「選考前のフォロー」(正式応募への誘導)こそ他の規模の企業よりも若干高めですが、「選考中のフォロー」「内定承諾前のフォロー」「内定承諾後のフォロー」は、他の規模の企業よりもかなり低くなっています。
 2015年卒採用では、重複内定保有学生の増加により、これまで以上に内定辞退に苦しんだ大企業ですが、選考が始まってからのリクルーターによるフォローが手薄になっているともいえるようです。

[図表4]リクルーターの活用シーン

リクルーターの質のばらつきが課題

 リクルーターを導入している企業に、その効果と課題を聞いてみました。リクルーターを導入するには、採用担当者ではなく、経営トップから全社へ「採用の大切さと協力のお願い」をメッセージとして発信して、全社協力体制をとる必要があります。指名された本人には、本来の業務にリクルーター業務が付加されるだけでなく、その活動内容・成果が評価にも組み込まれる仕組みづくりが必要だろうし、各ラインの上長には部下の時間が割かれることに対しての不満が出ないようにすることも必要です。
 また、学生と密なコミュニケーションをとればとるほど、そのリクルーターの印象が企業の印象として捉えられ、ひいては志望動機形成に大きな影響を持つことになります。リクルーター任せにすることなく、リクルーターを対象とした研修(話す内容、話し方、対応の仕方、NGな言動、求める人物像、見極めるポイント等)をしっかり実施することも必要だと思います。

【効 果】

  • OBをリクルーターにすることで、親近感と安心感が生じて、よりよい学生を確保できる可能性が高まる(医薬品、501~1000名)
  • 会社の良いところ・悪い(これから強化しなければならない)部分などを直接伝えることができる(人材サービス、1001~5000名)
  • 学生にとって、将来のイメージわきやすい(食品、501~1000名)
  • 人事担当が話すよりも説得力があり、より学生のコアな質問に答えていくことができるため、学生の関心度・満足度を高めることができた(医療・福祉関連、301~500名)
  • リクルーター自身の成長(商社、101~300名)
  • 出身研究室との連携強化(輸送機器・自動車、501~1000名)
  • 内定前、入社前の不安の解消(情報処理・ソフトウェア、501~1000名)
  • 学生の不安払拭、入社意欲の醸成に非常に効果的(人材サービス、11~50名)
  • 優秀な学生の一本釣りが可能(エネルギー、1001~5000名)
  • 毎年同じ研究室に同じリクルーターを派遣しており、先生方との信頼関係も厚く、教授推薦に良い効果がある(医薬品、1001~5000名)
  • 学生のメンターとして、選考全般において学生のサポートができ、最終的な意思決定にかかわることができる(電機、101~300名)

【課 題】

  • リクルーターの話術は課題(食品、501~1000名)
  • 社員訪問対応のレベルにとどまっており、まだ本来目指している効果(選考へのつながり)ができていない(運輸・倉庫・輸送、5001名以上)
  • リクルーターとして動いてもらう職員の指導(医療・福祉関連、301~500名)
  • 採用活動はあくまでサブの仕事であり、自覚は薄い(商社、101~300名)
  • 業務多忙につき、日程がなかなか合わない(輸送機器・自動車、501~1000名)
  • 客観的視点で判断していない状況がある(化学、101~300名)
  • 出身校頼みになっており、いつもお願いできる学校以外は、大学が広がっていかないこと(美容・理容、501~1000名)
  • リクルーターの権限をどこまで持たせるか(情報処理・ソフトウェア、1001~5000名)
  • リクルーターの活動にどうしても差が出てしまう(建設・設備・プラント、1001~5000名)

 「8月選考開始を順守します」と宣言している企業の中にも、実際にはリクルーターによる水面下の接触や、「ジョブ・マッチング」等の「面接」とは呼ばない接触を続け、8月1日は「踏み絵の日」に過ぎないという企業も少なくないと予測しています。大企業の内々定がいつ出るのか、注目していきたいと思います。

110506terazawa_pic.jpgのサムネール画像 寺澤 康介 てらざわ こうすけ
ProFuture株式会社 代表取締役/HR総研 所長
中央大学大学院 戦略経営研究科 客員教授

86年慶應義塾大学文学部卒業、文化放送ブレーンに入社。営業部長、企画制作部長などを歴任。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。07年採用プロドットコム(ProFuture)を設立、代表取締役に就任。約20年間、大企業から中堅・中小企業まで幅広く採用コンサルティングを行ってきた経験を持つ。著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』(HRプロ株式会社)。  http://www.hrpro.co.jp/

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