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採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント [2014.12.12]

2014年12月


HRプロ株式会社/HR総研
代表 寺澤康介
(調査・編集: 主任研究員 松岡 仁)


 HRプロ代表の寺澤です。
 もう12月になりました。1年が過ぎるのは本当に早いですね。昨年の今ごろには、就職ナビが正式オープンし、週末には各地で大規模な合同企業セミナーが開催され、一斉に採用活動シーズンに突入していました。しかし、これまでの採用広報解禁が12月から3月へ変更となった今年は、表向き静かなものです。
 しかし、実は静かに2016年卒採用に向けての動きが始まっています。前回のこの項で、企業の採用ホームページは3月を待たずに12月上旬にオープンする企業が多くなるだろうとお伝えいたしましたが、予想どおり多くの大企業で2016年卒向けの採用ホームページがオープンしています。
 一例を挙げてみると、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループのメガバンク3行をはじめ、丸紅、住友商事、三井住友海上火災保険、日本郵政グループ、旭化成グループ、資生堂、ユニ・チャーム、川崎重工業、東芝、富士通、サッポロビール、三越伊勢丹グループ、NTTデータ、商船三井など、各業界の錚々(そうそう)たる顔ぶれの企業が並びます。さすがに大手企業は、社員紹介や職種紹介などにとどまりますが、中にはテレビ東京やPlan・Do・Seeのようにすでにプレエントリーの受付まで開始している企業もあります。
 今回は、このような企業の動きに学生は付いていけているのかを、11月末に実施した学生アンケートから見てみたいと思います。

早くから就職を意識している2016年卒学生

 まずは、2016年卒学生が就職を意識し始めた時期について、昨年12月に実施した2015年卒向けのアンケート結果との比較で見てみましょう[図表1]。文系では、「3年生10月~11月」と回答した学生は2015年卒学生では25%もいましたが、2016年卒学生では3分の1以下の7%にとどまります。逆に、「2年生」と回答した学生は9%から20%へと倍増しています。理系を見ても、「3年生10月~11月」は36%から10%に減っているのに対して、「2年生」は3%から9%に、「3年生4月~6月」は34%から48%に増えています。

[図表1]就職を意識し始めた時期(文・理別)


資料出所:HRプロ・HR総研調べ(2014年11月、以下図表も同じ)

 今回の採用スケジュールの変更は、2013年4月19日の「経済界との意見交換会」で、安倍総理から経済界(経済団体連合会、日本商工会議所、中小企業団体中央会)に対して、2016年度卒業・修了予定者からの就職・採用活動開始時期変更を要請したことに端を発しています。6月14日には「日本再興戦略」において政府方針として閣議決定し、9月13日には経団連が倫理憲章を見直し「採用選考に関する指針」を公表。9月27日には国公私立の大学、短期大学および高等専門学校で構成する就職問題懇談会が「大学、短期大学及び高等専門学校卒業・修了者に係る就職について」の申し合わせを公表しました。
 これら一連の動きは、現3年生が2年生であったときに起こっており、その度に大々的にマスコミに取り上げられましたので、いやがおうにも就職に関心を持たざるを得なかったとも言えます。

ますます加速する大手企業志向

 今度は学生が希望する企業規模を見てみましょう[図表2]。2016年卒学生では、文系の14%が「絶対大手企業」、51%が「できれば大手企業」と合わせて65%の学生が大手企業志向となっています。理系の大手企業志向はさらに強く、「絶対大手企業」が19%、「できれば大手企業」が文系と同じく51%と、合計では実に70%に達しています。

[図表2]希望する企業規模(文・理別)

 景気回復により企業の採用意欲が高くなると、学生の大手企業志向は強くなると言われます。アベノミクスによる景気の回復傾向が見えた昨年の調査でも、文系の13%が「絶対大手企業」、46%が「できれば大手企業」、理系の15%が「絶対大手企業」、53%が「できれば大手企業」と大手企業志向が強く出ていましたが、今年はさらに拡大しています。
 大学グループ別に見ると、旧帝大クラスや早慶クラスの文系では、「絶対大手企業」と「できれば大手企業」の合計は85%前後に上っています。理系ではさらに大手企業志向は強くなり、早慶クラスの実に96%が大手企業志向という結果になりました。中堅、中小企業には厳しい結果となっています。

7割もの学生がインターンシップに参加

 2016年卒採用でキーワードとなっていたインターンシップについても見てみましょう[図表3]
 文系で「0社(応募をしていない)」と回答した人は、2015年卒学生の41%だったのに対して、2016年卒学生ではわずか17%にとどまり、逆に「4社以上」と回答した学生は17%に上ります。理系についてもほぼ同様なことが起きています。
 実際にインターンシップに参加したことのある学生の割合で見てみると、文系は2015年卒の46%が2016年卒では70%に、理系でも同じく44%から71%へと大きく伸びています。キャリアセンターや就職ナビに、インターンシップに参加するよう煽られているということなのでしょうが、7割もの学生がインターンシップを経験しているというのは驚きの数字です。インターンシップは、完全に就職活動の一部として考えられていると言えるでしょう。

[図表3]参加したインターンシップの社数(文・理別)

 参加したインターンシップのタイプも見てみましょう[図表4]。文系、理系ともに昨年比で大きく減っているのは「2週間程度」のインターンシップで、その他のタイプはすべて伸びています。「2週間程度」のインターンシップの多くは単位認定されるものの、インターンシップ先は学生が自由に選択できるわけではありません。また、拘束期間の長さから敬遠され、もっと短期間のものに複数参加しようとしているようです。

[図表4]参加したインターンシップのタイプ(文・理別、複数回答)

 逆に大きく伸びているタイプは、「半日」や「1日」、いわゆる1Dayインターンシップです。1Dayインターンシップは、複数の拠点で同一プログラムを実施することも比較的容易ですし、1回当たりの受け入れ学生数を確保することができます。7割もの学生がインターンシップ参加経験者になったのは、まさしく1Dayインターンシップをはじめとする短期間のプログラムが増えたことによるものです。2016年卒学生向けに公開された企業の採用ホームページを見ると、今後開催されるWinterインターンシップの案内があちらこちらに見受けられます。学生の最終的なインターンシップ参加経験者はさらに伸びるものと思われます。

企業の動きに敏感な学生

 最後に、冒頭に触れたような採用ホームページの早期公開の動きについて知っているかどうかを聞いてみました[図表5]。すると、文系では過半数の55%、理系でも半数近い48%の学生が「知っている」と答えています。インターンシップ参加企業からあらかじめ伝えられていた学生も多いようです。

[図表5]採用ホームページの公開は12月1日が最も多いことの認知

 これまでであれば、採用広報解禁日である3月1日に公開するのがスタンダードだったのに対して、解禁日よりも3カ月も前に採用ホームページが公開されることについて意見を聞いたところ、「早く就職活動を始めなければと思う」「早くから情報を発信することはいいことだ」と肯定的に捉える学生が過半数を占め、「解禁日前に開設するのはおかしい」「就職活動は解禁日からするつもりだ」と回答した学生は1割程度にすぎませんでした[図表6]。昨年までと比べて静かに思える今年の12月ですが、採用戦線は確実に進行しており、感度の低い学生は取り残されてしまう恐れがあります。

[図表6]採用ホームページの早期公開などの動きについてどう思うか

110506terazawa_pic.jpgのサムネール画像 寺澤 康介 てらざわ こうすけ
HRプロ株式会社 代表取締役/HR総研 所長

86年慶應義塾大学文学部卒業、文化放送ブレーンに入社。営業部長、企画制作部長などを歴任。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。07年採用プロドットコム(現HRプロ)を設立、代表取締役に就任。約20年間、大企業から中堅・中小企業まで幅広く採用コンサルティングを行ってきた経験を持つ。著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』(HRプロ株式会社)。  http://www.hrpro.co.jp/

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