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Point of view [2014.06.27]

第21回 仲 暁子

ソーシャル時代の人事部門と人との関わり方
~これからの採用広報~

撮影:竹井俊晴 仲 暁子  なか あきこ
ウォンテッドリー株式会社 代表取締役CEO
1984年生まれ。京都大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。退職後、Facebook Japanに初期メンバーとして参画。2010年9月、「はたらく」を面白くし、シゴト充実化を促進するためのアプリやツールを提供している、現ウォンテッドリー株式会社を設立。人と人がつながることにより、個人の可能性を最大限広げるサービス作りに取り組んでいる。
  ウォンテッドリー㈱ ホームページ: https://www.wantedly.com/

 

ジャスティン・ビーバーから学べること:強まる個人パワーと新しい通貨「共感」

 最初に少し、世界の流れを知っていただくために、「人事」から離れて「ソーシャルメディア」が及ぼしている状況について触れたいと思います。

 過去3年で、日本におけるFacebookをはじめとするソーシャルメディア経由のトラフィックは爆発的に増加しています。そして、世界的に「個人」の政治的、経済的なパワーが増しています。経済的なパワーというのは、消費者としての個人の力が強まっているということです。
 例えば、一昔前までは、新しいアイスが発売されたら、そこに有名な女優を起用したテレビ広告を数億円かけて流して、一気に認知度を上げていました。しかし今は、自分の信頼している友達や家族がひとことFacebookやTwitterで「そのアイスはすごくまずい」というようなことを言えば、数億円かけたテレビ広告の価値なんて吹き飛んでしまいます。逆に、全くマーケティングコストをかけなくても、アメリカの片田舎にいる少年の歌声がすばらしくいいと広まれば、あっという間にスターになることができます。それがまさに、YouTubeで有名になったジャスティン・ビーバーですね。
 このように、「消費者」としての個人が、大企業が意図的に作った「広告」「PR」に惑わされずに、真にいいものを見つけられる時代になりました。政治的な話は長くなるので割愛しますが、例えば「アラブの春」といった事例に見られるように、「個人」の意見が急激な勢いで広まって、一つのうねりとなり、当時の政権を倒してしまいました。

 ソーシャルメディアが「個人」に力を授けているのは構造的な流れであり、不可逆な流れだと言っても過言ではないと思います。「個人の声」は「お金」ではなく「共感」により、どんどん影響力を増していくのです。

お金より、理想のために働く

 上記の、「個人の声」が力を持ち始めた流れに沿って、最近感じるのは、企業と企業のボーダーが薄くなり、結果、「会社の中の自分」ではなく「社会の中の自分」を意識できる社会人が増える中、「社会的ミッションのために働く人が増えている」ということです。どういうことか。例えば、Facebookが普及した今、一期一会なんてなくなりました。一度つながってしまえば、他社の友達の情報が毎日のようにFacebookやTwitterを通じて届き、皆がどういうことを考えて、どういう働き方をしているのかも、一目瞭然です。また、かつては当たり前だった地域の共同体も、「コミュニティ」や「ソーシャルハウス」などという言葉で置き換えられ、20代30代の社会人を中心に、会社の垣根を越えた交流が進んでいる現場を垣間見ることが多いと感じます。
 こうして、社会の一員としての自分を実感できる機会が増えたからこそ、単純に「報酬」よりも、「社会的ミッション」や「理想の世界」を明確に持って働く人が増えているように感じます。そういう活き活きした社会人は積極的にソーシャルメディアで発信し、発信したメッセージは「共感」のもとバイラルに広まります。

人事は、社員の発信を止めてはいけない

 この「個人の声」が大きくなっている時代に、特にメディア系の企業などでは、「Facebookが会社で禁じられている」というような時代錯誤な話を聞きます。とはいえ、会社名を伏せて実際は使っているようですが。中には、堂々と自分の所属企業を出して発言している人たちも多く存在します。彼らの投稿やつぶやきが、どんどん世の中に広まり、「◯◯会社の人」はこういう感じなのか、と知らず知らずのうちに、世の中における会社ブランディングの大きな一角を占めるようになってきています。

 そうやって漏れ出る会社の「中の人の生の声」を会社側が必死になって「せき止める」よりは、発信を奨励しバックアップすることで、等身大の姿が世の中に広まり、結果として採用面においても「表面的な部分だけを好きになったミーハー」的な人材ではなく、真に「共感してくれている」人材が興味を持ってくれるようになるのではと思います。

 そんな個人が自由に自分の意見を発信できるようになった時代において、私の周りでも、「働くことを通じて自己実現をする」社会人が増えている気がしています。最近、何度か続けてNHKの『ニッポンのジレンマ』という番組に登場させていただいたのですが、野村不動産やファーストリテイリング(ユニクロ)、三菱商事の社員の方々が登場し、身分を偽らずに自分の社内外の活動について活き活きと話していました。彼らは、ウェブを中心に活き活きと発信を続けています。こういった等身大の社員の方々の活動というものの方が、どんなにマーケティングコストをかけて完成度を上げた会社広告よりも何倍も価値があると思います。

 逆に言うと、看板が有名ではなくても、中にいる人がキラキラして輝いている企業は、どんどん世の中に認知されていく時代です。余計なマーケティングやPRに時間を費やすよりも、「本質的な組織作り」にフォーカスしていればいい時代です。

「報酬」ではなく、「共感」でつながった組織が強い時代へ

 ここで少し私の話をします。私たちはWantedly(ウォンテッドリー)というサービスを提供しています。Wantedlyは2年半ほど前に生まれ、「シゴトでココロオドル人を増やす」という確固たる信念のもと、チームが一丸となり作り上げてきました。私一人ではじめたサービスも、今では月間約30万人以上が利用し、会社も3000社以上が利用しています。リクルートさんやサントリーさんなど、大手企業にもご利用いただいています。
 Wantedlyは、「事業を通じて理想の世界を実現したいチームや企業」が、「お金」ではなくて「なぜその事業をやっていて、どのように世界を変えたいのか」といった「理想」を中心に持ってくる構造になっており、ソーシャルメディアとも相性がいいので、アクセスの半分以上がFacebookやTwitter経由などです。月間1000人以上がWantedlyを活用して企業を訪問しており、たくさんの採用事例も生まれています。

 「本当に理想を語るだけでいいチームを作れるのか?」と半信半疑の方は、無料から利用開始できるので是非とも試しにつかってみていただけると嬉しいです。御社では、「売上達成」だけを目指すチームになってしまっており、「理想」を語ることを忘れてしまっていませんか?

 世の中の「働く人」のマインドセットはすごい勢いで変わっていますが、一番変わるべきなのは、硬直化してしまった「組織」のほうではないか、そう思っています。変われない企業は、淘汰されていきます。逆に、「理想」があれば、お金や現段階の企業規模が小さくても、優秀なチームを作り上げられる、「本質」にフォーカスの当たった時代になってきたと思います。 次の2年、さらに面白くなるのではないでしょうか。


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