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新卒採用の実務ポイント [2014.03.25]

9.採用プロセス-12月1日以降(1)

 

HR総研(ProFuture株式会社)

【項目目次】
[1]プレエントリーの開始
[2]学内合同企業セミナー
[3]大がかりな合同企業セミナー
[4]セミナーツールの制作(パネル、タペストリー、幟(のぼり)、映像、記入用紙)
[5]質を確保するためにメールDMを活用する
[6]個別企業セミナーの予約学生数と実際の参加学生
[7]会社説明会のプログラム
[8]内容だけでなく、受付、説明する人事、若手社員の印象が志望度を左右
[9]エントリーシートを課すか課さないか
[10]エントリーシートの形態と内容
[11]適性検査

[1]プレエントリーの開始

 12月1日の就職ナビのオープンでは、各企業の採用情報が公開となるとともに、プレエントリーの受け付けもスタートします。この日から、多くの学生たちは一斉に動き出します。まず就職ナビから志望企業にプレエントリーします。そして学内合同企業セミナーや都市部で開催される合同企業セミナーに多数の学生が集まります。
 すべての準備を終えた採用担当者は、ここから戦闘モードに突入します。就職ナビのオープンと同時に採用ホームページを公開し、プレエントリーを待ちます。プレエントリー者にID/パスワードを付与して、プレエントリー者専用のページに誘導する企業も増えています。その場合には、就職ナビからのプレエントリー者に対して、定期的にメールで専用ページを案内する作業も発生します。これらの作業は、採用支援会社にアウトソーシングするケースが多くなっています。
 2014年卒採用では、業界研究や企業研究が進まないまま、知名度のある企業にプレエントリーが集中する「取りあえずプレエントリー」という言葉が使われました。これは母集団の数がそろっても、志望意識が薄く、自社セミナーへの誘導率が低いことを意味しています。

[2]学内合同企業セミナー

 企業合同企業セミナーへの参加は、採用プロモーションの一環であり、ターゲット大学の学生の関心を高めプレエントリーしてもらうのが目的です。参加学生数も年々増えており、じっくり話し込むことが可能です。
 ホール等に企業別のブースを設けるケースや、時間を決めて教室を企業に割り当てるケースなど、大学によって運営方法は異なります。可能であれば人事担当者だけでなく、その大学のOB/OGが同席できると、学生との距離感も縮まり、より盛り上がるものにすることができます。
 後期試験がある1月や大企業の選考が開始される4月に開催される例は少ないですが、2月や3月、5月や6月に開催する大学は多くあります。7月以降も開催する大学は多く、中には卒業ぎりぎりの3月まで開催する大学もあります。企業側の重要施策となってきた学内合同企業セミナーですが、大学側も年々誘致企業数を拡大する傾向にあります。これまで参加実績のなかった大学につきましてもキャリアセンターに通年の予定を聞いて、参加の相談をしてみてください。

[3]大がかりな合同企業セミナー

 12月1日以降になると、就職情報会社による大がかりな合同企業セミナーが大都市で開催されます。大学との申し合わせで、大学の授業の妨げにならないよう、土日あるいは平日の夜に開催されます。
 大規模な合同企業セミナーに企業が参加する理由は、大学を問わず広い対象に企業広報ができることです。合同企業セミナーは全学生を対象とするものが一般的ですが、理系学生だけを対象としたものや、体育会学生だけを対象としたもの、外国人留学生だけを対象としたものなど、ターゲットが明確になっているものもあります。
 グローバル人材採用の高まりから日本人留学生の採用を目的としたセミナーの人気が高まっています。学生が長期休暇で帰省してくるタイミングに合わせて国内で開催されるもののほか、アメリカや欧州、オーストラリアなど海外で開催されるものがあります。海外在住の学生とはなども接触することが難しいことから、通常の合同企業セミナーと異なり、セミナー会場で面接までを行い、その場で内々定まで出してしまうスピード感が求められます。

[4]セミナーツールの制作(パネル、タペストリー、幟(のぼり)、映像、記入用紙)

 事前にセミナーに必要なものを整理しておきます。具体的には、パネル、タペストリー、幟(のぼり)、映像、記入用紙などです。イスとテーブルは会場で用意されていますが、ブース内外のディスプレイを考える必要があります。華美にする必要はありませんが、学生が興味を持つとともに入りやすい雰囲気を演出することが必要です。
 ブース内では、パーティションの壁面にパネルやポスターを掲示し、テーブルにはキャッチと社名が入ったタペストリーを引き、通路から見えるようにイスの背もたれの部分には社名とキャッチが印刷されたシートをかぶせたりします。
自社ブースの前には幟を飾ったり、外から見られるようにディスプレイにムービーを流すのも集客に役立ちます。 
 当たり前ですが、アンケート記入用紙とボールペンもお忘れなく。アンケートを書くための台紙ボードも用意したほうがよいかもしれません。中には、聴講した学生に配布する社名入りのプレミアムグッズを用意する企業もあります。

[5]質を確保するためにメールDMを活用する

 採用プロモーションの多くは、幅広い対象に網を投げ、後は学生からの反応(プレエントリー、来訪)を待つ受け身的なものになります。就職ナビ、採用ホームページ、合同企業セミナーはいずれもそうです。
 これに対して、就職情報会社が保有する学生名簿データベースに対して、大学、学部、学科、都道府県など、発信対象を自由に選んでターゲットを特定して情報を発信できるのが「メールDM」です。メールDMが良いのはプッシュ型メディアであること。就職ナビや採用ホームページでは自社のページにたどりつかない学生に対し、こちらから仕掛けることができるのです。
 また目的に応じて機動的に運用することができます。配信のタイミングを自由に選べるのでターゲット別の母集団形成だけでなく、エントリー促進、説明会への誘導、イメージの刷り込みなど、どのような目的にも柔軟に対応できます。
 ただ当たり前のことですが、就職ナビに登録した学生には多数のメールDMが届きます。メールDMを開いてクリックしてもらえる確率は、就活の時期とタイミングで変わります。反応を測りながら、少なければ発信対象を増やすなどの措置で効果的に使ってください。

[6]個別企業セミナーの予約学生数と実際の参加学生

 個別企業セミナー・説明会の予約受付は、会場の収容可能人数を目安に行いますが、100人の会場に100人の学生の予約を入れても、ほとんどの場合は会場が埋まりません。プレエントリー同様、セミナーの予約においても「取りあえず予約」する学生が多いためです。予約できるものは取りあえず押さえておき、ダブルブッキングした場合にはいずれか一つに参加する学生もいれば、根本的に予約したことすら忘れている学生もいます。
 平均出席率は、8割以上参加したとする企業が5割ある半面、中には5割以下という企業もあります(HRプロ調べ)。予約時点では収容可能数以上の人数を受け付け、当日の出席率が想定以上だった場合には、予備のイスで対応するという方法がよいと思います。

[7]会社説明会のプログラム

 会社説明会の内容は企業によってさまざまですが、大枠は採用担当者による会社の概要説明、若手社員による仕事ややりがいの説明、各職場で働く社員のビデオ上映、座談会、質疑応答などです。最近はグループワークやゲームの要素を取り入れ、学生が退屈しない工夫も目立ちます。
 入社案内が配布されることもありますが、その場で説明に使う企業は少なく、多くの場合はPowerPoint等のプレゼンソフトで作った資料を上映しながら説明します。
 気を付けていただきたいのは、学生はたくさんの会社説明会に参加しており、目が肥えていることです。そして、会社説明会の段階では学生の志望動機はそれほど固まっていません。しっかり他社と差別化し、自社に目を向かせねばなりません。
 「学生にこう見られたい」という姿に自社を“演出”しなければなりません。“演出”といってもウソをつく背伸びではなく、学生からの見え方を工夫してほしいのです。

[8]内容だけでなく、受付、説明する人事、若手社員の印象が志望度を左右

 会社説明会の目的は、学生に理解を深めてもらい、志望度を高めてもらうことです。しかし学生のアンケートを読んでみると、会社説明会の内容よりも、受付の対応、人事の熱意、若手社員の自信のような対人的な印象で、好感度、志望度が高まっているようです。
 大規模で機械的に進行する会社説明会を学生は評価していません。「少人数で社員に話が聞けた」「いろいろと質問できた」「人事・社員の人柄が良かった」という「ヒト要素」が学生の共感を呼ぶのです。
 その意味では、人事部の担当者だけで開く会社説明会は効果が出にくいと言えます。社員、特に若手社員とエース級人材にも協力してもらいたいものです。

[9]エントリーシートを課すか課さないか

 キャリアセンターでは、就職支援の一環として「エントリーシートの書き方」を指導しています。その情景を見ると、どの企業でもエントリーシートを書かせている、わが社も工夫しようと考えるかもしれませんが、すべての企業がエントリーシートを学生に課しているわけではありません。
 エントリーシートを学生に課すか課さないかは、企業の自由です。一般的に大手人気企業はハードルを高くするために、書くのが難しいテーマでエントリーシートを課す傾向があります。あまりにも応募者が多いので、ふるい落とす目的もあるでしょうが、高いハードルを越えて志望してくる学生に絞り込みたいという狙いもあるでしょう。
 逆に中堅・中小企業は学生にエントリーシート提出を求めないところが多いようです。もともと採用母集団の形成でも数が少ないので、エントリーシートというハードルを設けると志望学生が減る可能性があるからです。
 エントリーシートは学生の人材タイプを知る貴重なデータですが、学生に与える負荷も考慮して課すか課さないか、あるいは記入を求める内容を決めましょう。

[10]エントリーシートの形態と内容

 エントリーシートの形態もさまざまです。ネット上で記入させるもの、ネットからPDF形式の書類をダウンロードして記入させ郵送させるもの、書類を郵送し返送させるものが混在しており、中には、企業セミナーで簡単なエントリーシートを書かせる企業もあります。
 内容の定番は「志望動機」「自己PR」「学生時代に注力したこと」の三つです。この三つに加えて「どんな仕事がしたいか」「自分が活躍できると思う理由」などがあります。
 学生の人材タイプが分かる設問ならどんなものでもいいと思いますが、項目が多くボリュームがあるもの、自由に表現せよと言われて困惑してしまうもの、短所・失敗談を聞くもの、質問意図が分からないもの等は、学生から敬遠されるようです。

[11]適性検査

 適性検査というと、その字義からは職業適性を見るようなニュアンスがありますが、実際に実施されるテストは言語(国語)、計数(数学)、英語、一般常識(社会・理科・時事問題)などの学力面、そして性格面を測る検査から構成されています。リクルートキャリアの「SPI3 (SPI)」が最も有名で、適性検査対策は一般的には「SPI対策」という名称になっています。しかし、適性検査を提供している企業はリクルートキャリアだけではなく、多数の適性検査提供企業がありますので、それぞれの特徴を比較して選択するようにしましょう。
 最近では、メンタルヘルスの観点から「ストレス耐性」を測ることのできる検査の導入が増えています。
 適性検査の実施方法もさまざまあり、近年は企業が用意する会場で冊子タイプのものを受検してもらうのではなく、自宅でWeb受検してもらう形態が増えています。また、検査提供会社が用意するテストセンターで実施する企業もあります。
 適性検査を実施する場面では、1次面接前に実施するケースが大半ですが、必ずしも1次面接に呼ぶ学生を選抜(スクリーニング)するための使用(42%)ではなく、あくまでも面接時の資料として使用(29%)するとしている企業もあります(2013年HRプロ調べ)。

[図表]適性検査の利用場面

 

[本稿共同執筆者]
 HR総研(ProFuture株式会社)
   所 長 寺澤 康介 / 主任研究員 松岡 仁 / ライター 佃 光博


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