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新卒採用の実務ポイント [2014.03.25]

2.直近の状況――SNS・スマートフォンへの対応

 

HR総研(ProFuture株式会社)

【項目目次】
■ 中身が薄い「とりあえず応募」
■ 4月に集中する大手企業の面接選考開始
■ 「疑似母集団」ではなく「真の母集団」を作る
■ ソーシャルメディア、スマートフォンへの対応

■ 中身が薄い「とりあえず応募」

 2012年卒までは、学生の就職意識は3年生の6月ごろから秋にかけて徐々に醸成されていきました。ところが2013年卒以降の学生は、企業との接触機会が極端に少なくなり、就職意識は低いままでした。キャリアセンターの職員に聞いても、就職ガイダンスに学生が集まりにくかったそうです。
 そういう「乾いた状態」の学生に対し、12月1日に就職ナビがオープンし、毎年混乱が起きています。大手就職ナビサイトの担当者は、例年よりアクセス数が急増すると予測してサーバを強化していましたが、それでもその予測をはるかに超えるアクセスが殺到し、サービスが一時ダウンしたり、つながりにくくなるアクシデントが発生したのです。
 就職ナビがつながりにくい状況がまた学生の焦りを増幅させ、中には1日で100社以上のプレエントリーをした学生もおり、ちょっとした集団パニック状態を招きました。学生の焦りの背景にはマスメディアが「4月大手企業選考までの短期化、過密スケジュール」を「短期決戦」と大きく報道していることの影響もあるでしょう。ただし、今年に限ってみれば、企業の景況感の回復から採用人数の増加が予想されることや、2014年卒の学生の内定状況が前年と比べて改善していることから、学生の中には就職活動を楽観視する声が広がっており、就職ナビのサービスが低下した時間は例年よりも少なかったようです。
 2014年卒採用における個別企業の状況を聞くと、人気企業には例年以上のプレエントリーが殺到した半面、知名度の低い企業へのプレエントリーはかなり落ち込んでいます。例年以上に学生たちは知名度の高い企業に集中し、知名度に劣るB to Bビジネス企業や中堅・中小企業は採用母集団の形成に苦戦しています。
 プレエントリーが多い企業も喜んではいられません。就職意識が低い「とりあえずエントリー」が多いので、採用母集団の中に「極めて志望度の低い、どの企業にプレエントリーしたかすら忘れている」学生が混じっているからです。個別企業セミナーにおいても同じことが起きています。セミナーに申し込みができる企業に「とりあえず申し込み」をしておくという行為です。現に、セミナーへの当日の参加率(実際の参加者数/事前の申込者数)が90%を超える企業がある一方、50%以下という企業も出てきています。

■ 4月に集中する大手企業の面接選考開始

 2014年卒採用では、他社に遅れられないとの認識から、先に見たように選考開始は「3月」「4月」に集中し、「5月以降」とする企業はごくわずかです。
 「4月」と回答している企業の中にも、実は「3月」に予備選考が進んでいる企業もあり、4月1日には早くも内々定が出た企業も少なくありません。大手企業が選考時期を早めたことに連動して、中堅・中小企業の選考も例年よりも前倒しとなっています。
 ただし、選考を短期で終了できる企業ばかりではありません。選考時期の集中により応募者を集めきれない企業や、就職意識、志望意識の薄い応募学生を前にして、採用内定を決めきれない企業も出てきています。同時に選考が進む場合、限られた学生に内定が集中します。何社から内定をもらおうが、1人の学生が就職できるのは1社しかなく、残りの企業には内定を辞退することになります。内定辞退者が想定よりも多かった場合、採用活動を継続せざるを得なくなる企業も出てきます。

■ 「疑似母集団」ではなく「真の母集団」を作る

 就職意識と志望度が低いプレエントリーによる「疑似母集団」対策が、重要になっています。
 「真の母集団」を作るために、さまざまな手を使って、この疑似母集団をふるいにかけ、求める人材が濃い層の母集団に絞り込んでいき、そこに集中してコミュニケーションを仕掛けていくことが必要です。
 このさまざまな手というのは、その企業が置かれている採用ポジションによって違ってきますし、戦略のキモになります。量を追うプロモーションでは、疑似母集団になってしまうので、ターゲットとなる対象と直接深いコミュニケーションをとる手法を強化すべきだといえるでしょう。
 これまでとはレベルがかなり違う「疑似母集団」が大量に集まってきている事実を認識し、より一層の密度の濃いコミュニケーション戦略を検討する必要があります。

■ ソーシャルメディア、スマートフォンへの対応

 2012年卒採用から採用活動にFacebookなどのソーシャルメディアを活用する企業が現れ始めましたが、2014年卒採用では中堅企業を中心に活用する企業が大きく広がってきています。301~1000名の中堅企業では、採用活動のために専用のFacebookを「立ち上げた」企業は28%、1001名以上の大企業でも20%に上ります[図表1]。

[図表1]Facebook採用ページの有無

 ただし、「質問会」「OB/OGとの交流」「Facebook限定説明会」など、Facebookの特性を活かした利用ができている企業はまだそれほど多くなく、「採用担当者紹介」「セミナー情報」「就活アドバイス」など、採用ホームページと大差のない情報を掲載している例が大半で、まだまだ手探りの状態といえます。
 一方、学生の就職活動でのFacebook採用ページの閲覧状況を見ると、文系では「見たことはない」40%、「1~3社」38%、理系では「見たことはない」58%、「1~3社」32%と、利用はそれほど進んではいないようです。採用ホームページとの違いが分かりにくかったり、個人情報露出に対する危惧が強いようです。Facebookなどのソーシャルメディアが採用活動に有効なツールとなりえるのか、現在はまだ実験段階といえます[図表2]。

[図表2]学生のFacebook採用ページの閲覧状況

 もう一つ、ITツールの潮流としてスマートフォンの普及を見逃すことはできません。2012年末の学生調査によれば、就活学生のスマートフォン利用状況は、文系では93%、理系でも86%にも達しています[図表3]。

[図表3]就活学生のスマートフォン利用状況

 Webサイトの閲覧やメールのやりとりを、いつでもどこからでも利用でき、特にすぐに満員となってしまうセミナー予約の際には非常に便利なツールとなっています。採用ホームページの閲覧もスマートフォン経由が増えており、スマートフォンに対応した専用ページの作成を考える必要もあります。大手企業では、「すでに作成した」「作成する予定」「作成することを検討中」と回答した企業は合計で5割を優に超えています。

[本稿共同執筆者]
 HR総研(ProFuture株式会社)
   所 長 寺澤 康介 / 主任研究員 松岡 仁 / ライター 佃 光博


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