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新任担当者のための労働法セミナー [2014.02.26]

第22回 整理解雇


下山智恵子
インプルーブ社会保険労務士事務所 代表 特定社会保険労務士

今回のクエスチョン

Q1 解雇には、どのような種類がありますか?


A1 解雇には、普通解雇、整理解雇、懲戒解雇があります


 解雇には、普通解雇、整理解雇、懲戒解雇があります。いずれも簡単にできるわけではなく、法律や判例に則(のっと)って慎重に行う必要があります。

①普通解雇…②③以外のもの。勤務成績不良、能力不足など
②整理解雇…事業の縮小など
③懲戒解雇…労働者の重大な過失や問題行動によるもの


 普通解雇については、前回ご説明しました。今回は整理解雇について、次回は懲戒解雇についてご説明します。

【解説】

■整理解雇は4要件を総合的に判断される

 事業の縮小などの経営上の都合によって人員削減する解雇を整理解雇といいます。整理解雇も解雇の一つなので、解雇権の濫用と判断されないように注意する必要があります。
 整理解雇が有効とされる4要件(4要素)が過去の裁判ででき上がっています[図表]

[図表] 整理解雇の4要件

1.経営上の必要性がある
  必要性の程度は、事案によってさまざまである。
  ①人員削減しなければ倒産する状況にある
  ②かなりの経営危機である
  ③①、②までではないが、会社の運営上必要である
  根拠は、営業状態、資産状況、人件費の動向、新規採用などの人員動向など
2.解雇を避けるために努力した
  具体的には経費の削減、不要資産の売却、役員報酬の削減、残業規制、一時帰休、
  賞与カット、昇給停止、外注減少・停止による社内の雇用確保、新規採用の縮小・停
  止、
配転・出向等による雇用確保、希望退職の募集など
3.人選が合理的である
  選定基準は、状況によって判断されるが、客観性・合理性が求められる。
  ①勤続年数、実績などの貢献
  ②勤務成績や能力などの評価(例:遅刻、欠勤が多い人が優先)
  ③雇用形態(例:正社員よりもパートが優先)
  ④再就職や家計への打撃(例:30歳以下を優先)
4.解雇手続きに妥当性がある
  整理解雇実施前に、労働組合との協議・交渉を尽くしたか、労働組合がない場合でも
  社員に整理解雇の必要性と、その内容を十分に説明し、納得を得るための努力をした
  か


 これらの4要件を一つずつ検討し、できるだけ要件を満たすよう努力が必要です。以前は、4要件のいずれも満たす必要がありましたが、最近は必ずしもすべてを満たす必要はなく、4要件を検討しながら、それぞれの事情を総合的に判断されるものが多くなっています。

■整理解雇の前にすべきことを検討する

 解雇権濫用かどうかの判断には、4要件の一つ「解雇を避けるためにどれだけ努力したか」が特に重要です。先ほどの[図表]にもあるとおり、解雇の前にさまざまな努力をする必要があります。例えば、整理解雇の直前まで労働者を新規雇用していた、高額な役員報酬を払っているなどの場合には、整理解雇が合理的であると認められることは難しいでしょう。

■希望退職募集は対象者を限定する

 解雇を避ける方法として、希望退職募集は有効ですが、慎重に行う必要があります。なぜなら、会社が退職してほしい人が退職せずに、残ってほしい人が退職することが多いからです。これを避けるために、40歳以上や管理職などに対象者を限定するなど工夫するほうがいいでしょう。
 また、残った労働者もやる気がなくなることがよくあります。会社は、これを避けるために、今後の見通しや方針などをしっかりと説明し、やる気をなくさないよう注意する必要があります。


《復習&応用問題》

Q2 多くの労働者をリストラで解雇する場合には、ハローワークへ届け出る必要があると聞きました。具体的な基準を教えてください


A2 30人以上を解雇する場合に届出が義務づけられています

 1カ月以内に30人以上の労働者を解雇する場合は、最初の離職者が発生する1カ月前までに、再就職援助計画を作成し、ハローワークへ届け出することが義務づけられています。(雇用対策法24条)ここでいう労働者には、雇用期間6カ月以上の期間雇用者も対象になります。


※本記事は人事専門資料誌「労政時報」の購読会員サイト『WEB労政時報』で2013年1月にご紹介したものです。


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下山智恵子 しもやまちえこ
インプルーブ社会保険労務士事務所 代表 特定社会保険労務士

 大手メーカー人事部を経て、1998年に下山社会保険労務士事務所を設立。以来、労働問題の解決や就業規則作成、賃金評価制度策定等に取り組んできた。 2004年には、人事労務のコンサルティングと給与計算アウトソーシング会社である(株)インプルーブ労務コンサルティングを設立。法律や判例を踏まえたうえで、 企業の業種・業態に合わせた実用的なコンサルティングを行っている。著書に、『労働基準法がよくわかる本』『もらえる年金が本当にわかる本』『あなたの年金これで安心!―受け取る金額がすぐ分かる』(以上、成美堂出版)など。


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