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採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント [2013.06.16]

2013年6月


HRプロ株式会社/HR総合調査研究所
代表 寺澤康介 てらざわ こうすけ
(調査・編集: 主任研究員 松岡 仁)


 HRプロ代表の寺澤康介です。
 5月20日、弊社主催の人事向け専門イベント「HRサミット2013」のプレミアセミナーを東京・国際フォーラムにて開催いたしました。1000人近い方々が参加され、前中国大使の丹羽宇一郎氏、世界を代表する人材コンサルティング会社DDIのCEO、ウィリアム・C・バイアム氏、元日本サッカー代表監督のジーコ氏、三井物産の槍田松瑩会長らのご講演、そしてアベノミクス成長戦略の雇用改革を論じる産官学のトークセッションと、どれも思わず引き込まれてしまう内容ばかりで、あっという間の6時間でした。その中から一つだけ、ジーコ氏とのトークセッションについてお伝えしたいと思います。

■ジーコが日本で目指したチーム作り―HRサミット2013より

 ジーコ氏が控室を訪れた時から、そのオーラに圧倒されました。それは、圧倒する雰囲気ではなく、相手を柔らかく包み込む雰囲気というのでしょうか。事前の打ち合わせでも笑みを絶やさず、こちらの意向を受け止めてくれます。ブラジルでは言うまでもなく国民的英雄ですが、リーダーシップやチームワークについての企業向けの講演も数多くされているとのことでした。
 トークセッションでは、ブラジルのスポーツ大臣のポストを投げ打ってまで来日された決意は何だったか、Jリーグ開幕時のエピソード、日本サッカー代表監督を引き受けた経緯などを伺いながら、チーム作り、リーダーシップで大事なことは何かをお話しいただきました。

 チーム作りでは「自主性」を重んじたジーコ氏。ピッチの中で出会うさまざまな状況に対して、選手自身が自主的に判断できるようにならなければ真の意味で強くなれないし、プロであるからにはそれが求められる。短期的なビジョンではなく、日本が将来的に強くなっていくためにも選手の自主性を高める必要があったと、ジーコ氏は述べています。
 また、リーダーは自然体であることが大切と言われました。自分自身の頑張りは自然に周りに影響を与えるもの。選手へも絶対的な命令者ではなく、その人をよく観察し自然に気配りをしたアドバイスをする。そうすることで互いの信頼感が増してくる。
 さらに、自分を律する心も大事です。ジーコ氏は、選手時代からずっと、毎日寝る前に、今日は精いっぱいの努力をできたか、自分に問うたそうです。できていたらさらに翌日はこうしよう、できなかったらなぜできなかったかを考え、翌日は精いっぱい努力をしようと考えるとのこと。そうした姿勢が、自然と周りに影響を与えるのでしょう。

 現在は、ブラジルで学校に行けない児童たちを学校に行けるように支援するジーコ氏。すでに4万~5万人の児童を支援しているそうです。今も現役時代の熱さを強く感じさせたジーコ氏。やっぱり、すごかったです。

 さて、本題です。今回は4月下旬に実施いたしました採用担当者と就活学生向けのアンケート調査から、2014年新卒採用のこれまでの状況を振り返ってみたいと思います。

■内定出しは2013卒採用よりも前倒しに

 [図表1]は、2014年卒採用における文系と理系の内定ピーク時期(予定含む)を過去2年間の調査結果と比較したデータです。文系のデータを見てみると、3月までは過去2年間よりも低い数字となっていますが、「4月前半」に大きく伸び、昨年の2倍近くになっています。一方、「6月以降」は昨年よりも8ポイントも少ない26%となっています。6月以降が内定のピークになる企業は4社に1社しかないということになります。
 理系のデータを見てみると、3月までは昨年と同様の傾向を示していたものの、「4月前半」で文系と同じく大きく伸び、「4月後半」とする企業は21%に達しています。「4月前半」~「5月前半」とする企業は前年よりも4~6ポイントも伸び、逆に「5月後半」は5ポイント、「6月以降」は10ポイントもそれぞれ前年を下回る数値になっています。内定出しのピークが明らかに昨年よりも前倒しになっていることを表しています。

[図表1] 内定ピーク時期の比較(2012年~2014年卒)  ※図をクリックして拡大


 もう一つ、4月下旬時点での採用計画数に対する内定者数の割合を、昨年同時期と比較したデータ[図表2]を見てみましょう。
 [図表2]➀の比較で見ると、「0%」すなわち、まだ1人も内定を出していない企業の割合が大きく変化していることが分かります。昨年の調査では、過半数の53%の企業がまだ内定出しを始めていなかったのに対して、今年は38%にとどまっています。一方、「0%」以外の項目は、ほぼすべての項目で昨年の数値を上回っています。内定出しが昨年を大きく上回るペースで進められたことを、このデータが実証しています。

[図表2] 4月下旬時点で見た採用計画に対する採用充足率
 

 [図表2]②は、同じデータを従業員規模別に見たものです。「0%」と答えた割合は、「300名以下」44%→「301~1000名」35%→「1001名以上」29%と、企業規模が大きいほど少なくなっており、それだけ内定出しが進んでいることが分かります。ちなみに、昨年の従業員規模別のデータを見てみると、「0%」の割合は、「300名以下」56%→「301~1000名」57%→「1001名以上」40%という結果でした。今年の特徴として注目すべきは、大企業の内定出しが早かっただけでなく、中堅・中小企業の内定出しも早いペースで進められてきたという点です。このことは、次に見る学生の内定保有状況に大きく影響を及ぼしています。

■上位校以外にも内定保有者が前年よりも拡大

 次に見る学生調査は、楽天「みんなの就職活動日記」登録会員の学生を対象としたものです。一般学生より意識が高い学生が多いため、世間的な平均値より内定率が高めに出ている点に留意いただき、大学グループ間の比較や、昨年データとの比較として参考にしてください。
 [図表3]は、4月下旬時点の学生の就職内定の獲得率を調査し、過去2年と比較した文系と理系のデータです。
 まず文系から見てみましょう。東日本大震災により選考時期を遅らせる企業が相次いだ2012年卒採用と比べて、昨年の2013年卒採用では大手企業の選考・内定出しは早かったものの、中堅・中小企業の選考・内定出しが遅かったことから、「旧帝大クラス」「早慶クラス」などの上位校が内定獲得率を伸ばした一方で、中堅・中小企業からの内定割合が多い上位校以外の大学グループは逆に内定獲得率が低迷していました。
 これに対して今年は、全体の内定獲得率は53%で昨年の44%から9ポイント増と大きな伸びを記録。内訳を見ると、昨年も内定獲得率の高かった「旧帝大クラス」「早慶クラス」の伸びは微増にとどまった一方、このほかの大学グループは、16ポイントも伸びた「上位国公立大クラス」をはじめ軒並み数字を伸ばしています。これは、大企業だけでなく、中堅・中小企業の選考・内定出しが進んだことによるものです。

[図表3] 4月下旬時点で見た就職内定獲得率の比較(過去3年・大学グループ別)


 次に理系の状況を見てみましょう。文系と比べてもともと高かった全体の内定獲得率は7ポイント増の68%でした。大学グループ別で見ると、昨年8割前後と高い内定獲得率を誇っていた「旧帝大クラス」と「早慶クラス」が微減に転じた中、「上位私大クラス」が12ポイントも伸ばしたのをはじめ、その他の大学グループも昨年よりも伸びています。ただ、「その他私立大学クラス」はわずかに伸びているものの、2年前の2012年卒採用時の数値には程遠い状況です。理系の推薦制度による内定割合は年々低下しており、理系といえども中下位校にとっては厳しい就職戦線になっているようです。

■第一志望でなくても就活を終了する学生

 内定を獲得した文系学生に就職活動の継続意向を聞いてみたのが[図表4]です。過去2年間と比較してみて分かるのは、「(内定獲得企業は)第1志望の企業ではなかったが内定したので終了する」学生が、2012年卒 6%→2013年卒 12%→2014年卒 15%と年々増加していることです。逆に「第1志望の企業に内定したがまだ他も見たいので継続する」学生の割合は、2012年卒 27%→2013年卒 19%→2014年卒 16%と年々減少しています。

[図表4] 内定獲得学生の就職活動継続意向(文系)


 就職に対して淡泊になったとも言えますが、最近の若者を評する際によく言われる「真面目さ」の表れではないかと思います。重複内定を「悪いこと」と考え、最初に内定を出してくれた企業に決めてしまうのです。企業の選考・内定出しスケジュールの前倒しに拍車がかかったのも、これらの学生の存在が少なからず影響しているのではないでしょうか。


110506terazawa_pic.jpgのサムネール画像寺澤 康介 てらざわ こうすけ
HRプロ株式会社 代表取締役
HR総合調査研究所 所長

86年慶應義塾大学文学部卒業、文化放送ブレーンに入社。営業部長、企画制作部長などを歴任。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。07年採用プロドットコム(現HRプロ)を設立、代表取締役に就任。約20年間、大企業から中堅・中小企業まで幅広く採用コンサルティングを行ってきた経験を持つ。
http://www.hrpro.co.jp/

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