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名言、故事成語に学ぶ人材マネジメントの本質 [2013.03.27]

第11回(最終回) “医者の不養生”になっていないか?~人事部こそが、部内の人材マネジメントを徹底的に行わなければいけない


名言、故事成語に学ぶ人材マネジメントの本質(11・完)
太期健三郎 だいごけんざぶろう
(ワークデザイン研究所 代表)

 御社の人事部は、部門内(人事部門内)の人材マネジメントをしっかりと行っていますか? もし、行えていないとしたら「医者の不養生」の状態だと言えるでしょう。
 企業の人材マネジメントを機能させるためには、人事部が部内の人材マネジメントを徹底的に行い、強力な人事部とならなければなりません。
 当コラム最終回となる今回では、人事部が部内の人材マネジメントを行う重要性と、その効果について考えていきましょう。

■他部署に働き掛けていることを、人事部内でもきちんと行えているか?

 人事部は、全社の人材マネジメントを行うため、社内の各部署にさまざまな働き掛けを行います。人事評価を行うための指導、部門内の教育、ジョブローテーション、異動配置などについて、適切に行えているか確認し、指導、支援を行います。
 では、各部署に働き掛けていることを人事部内ではきちんと行えているでしょうか?
 例えば、以下の項目について、自部門の状況をチェックしてみましょう。

・管理者は人事部スタッフの仕事ぶりを把握し、指導、フォロー、評価を行っているか

・OFF-JT、OJTなどのスタッフの教育を行えているか

・縦割りの担当制が固定化することなく多様な経験を積ませているか

・目標管理制度で、年初に目標設定した後そのまま放置せず進捗管理、フォローしているか

 これらが十分に実行できていないとすれば、「医者の不養生」です。

 「医者の不養生(いしゃのふようじょう)」ということわざについて、一度は聞いたことがあるでしょう。「患者に養生(生活に留意して健康の改善・増進を図ること)を勧める医者が、自分自身は健康に注意しないこと。そこから転じて、正しいと分かっていながら、自らの実行が伴わないこと」を意味します。
 「分かる=理解する」と「できる=実行する」は違います。人材マネジメントの意義、重要性を認識し社内に働き掛けていても、自部門で実行していなければ人事部失格です。
 人事部は、社内の各部署に「実行させる」機能を持ちますが、それだけでなく、自らも「実行主体」です。
 率先垂範して、社内で一番と言えるくらい徹底的に人材マネジメントを行い、成果を出す部署を目指すべきなのです。
 日本には「医者の不養生」に似たことわざがいくつもあります。例えば、「髪結いの乱れ髪」「坊主の不信心」「紺屋の白袴(こうやのしろばかま)」などです。

■本気で深く行うと制度の課題などが見えてくる

 人材マネジメントをしっかり行うと、制度の課題、改善点がよく見えてきます。医者が自らの養生を十分に行うことで多くの気づき、発見があること同じです。

 例えば、人事評価制度で言えば、「人事評価表」「目標管理シート」が記入しづらく余計な手間がかかる、評価基準が抽象的で分かりにくい、評価期間や評価面談のスケジュールに無理がある、など改善点が見えてきます。しかし、このような部分は、部門内ではただ漫然と運用しながら、全社の取りまとめをするだけでは気づかないでしょう。

■人事部内でトライアルを行う

 また、新たな制度を導入したり、制度の変更をしたりするときは、人事部門で先行的に試験導入してみると良いでしょう。医者、医療機関も健康法、治療法の研鑽(けんさん)、治験を重ねています。
 制度の新規導入や変更を最初から全社で行うことには大きなリスクを伴います。
 人事部内でトライアル的に運用をして、改善点、運用で注意すべきポイント、運用コストなどを把握しておけば、効果的に全社展開を行うことができます。

■率先垂範して一生懸命実践する姿は伝わる

 人事部門が垂範して(模範を示して)一生懸命に人材マネジメントを実行している姿、熱意は多くの関係者に伝わります。また、その施策を実行する意義についても説得力を持ちます。逆に、問題意識を持たず、ルーティンワークとして制度運用するだけの人事部の様子もすぐに伝わってしまいます。
 一生懸命に実践していると、経営者も各部門も人事部に対して積極的に支援、協力してくれます。

  人事部自身の人材マネジメントへの取り組み姿勢が、
○「会社のために人材マネジメントを推進してくれている人事部」と思われるか、
×「面倒なことをやらせている人事部」と思われるか、
――を決めるのです。

 そして、何よりも人事スタッフ自身への影響が一番大きいでしょう。会社の戦略を推進する人材マネジメントを機能させるために最善を尽くそう、という当事者意識を高めます。

■まとめ

 今回のコラムのポイントをまとめてみましょう。

人事部は“医者の不養生”になっていないか?

1.全社の人材マネジメントを機能させるには、人事部が部門内の人材マネジメントを徹底的に行う必要である

2.深く、とことんやることで、制度の課題、改善点が見えてくる

3.制度変更、新制度導入の前には、人事部門内でトライアル運用が有効である

4.率先垂範して一生懸命実践する姿、熱意は各所に伝わる

 人材マネジメントの重要性を人事部は「分かる」だけでなく「できる」としなければなりません。繰り返しになりますが、推進役の人事部が徹底的に行うことなしに、全社の人材マネジメントを機能させることはできないのです。

  当シリーズのコラムも今回が最終回となりました。今までご愛読ありがとうございました。御社の人材マネジメントを行う上で参考にしていただけましたら、執筆者としてこれに勝る喜びはありません。
 下記に示す今回連載のコラムと、前回シリーズのバックナンバーをご覧いただけましたら幸いです。

人事パーソンのための実践!ビジネスフレームワーク シリーズ目次
http://www.rosei.jp/jinjour/list/series.php?ss=3077

名言、故事成語に学ぶ人材マネジメントの本質 シリーズ目次
http://www.rosei.jp/jinjour/list/series.php?ss=3098

太期健三郎(だいごけんざぶろう)profile
1969生まれ。神奈川県横浜市出身。人事コンサルタント/ビジネス書作家。三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)、株式会社ミスミ、株式会社グロービスを経て、ワークデザイン研究所代表に就任。コンサルタントおよび現場実務の両者の立場で一貫して人材マネジメントとキャリアデザインに取り組む。主著『ビジネス思考が身につく本』(明日香出版社)。
ワークデザイン研究所のホームページ http://work-d.org/
ワークデザイン研究所代表のブログ http://blog.livedoor.jp/worklabo/


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