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[2013.03.18]

精神障害者の雇用義務付け、改正法案を今国会に提出へ~労働政策審議会障害者雇用分科会意見書がまとまる~

 

 厚生労働省の労働政策審議会(会長:諏訪康雄 法政大学大学院政策創造研究科教授)は3月14日、障害者雇用分科会(分科会長:今野浩一郎 学習院大学経済学部経営学科教授)からの報告を受け、厚生労働大臣に対し、今後の障害者雇用施策の充実強化について意見書を提出した。
 意見書では、障害者に対して職場における合理的配慮の提供を事業主に義務付けることや、精神障害者を雇用義務の対象とすること等が提言されている。
 厚生労働省は、この意見書の内容を踏まえ、今国会への法案提出に向け、法案要綱を作成し、労働政策審議会に諮問する予定としている。

<意見書のポイント>
第1  障害者の権利に関する条約への対応
1.基本的枠組み
(1)枠組みの全体像
労働・雇用分野における障害者の権利に関する条約(以下「障害者権利条約」という。)への対応は、他の労働法令との調整を図りつつ、障害者雇用促進法を改正すること等により対応を図ることが適当である。
(2)差別禁止等の枠組みの対象範囲
①障害者の範囲
 差別禁止等の対象とする障害者の範囲については、現行の障害者雇用率制度の対象より広範囲なものとし、障害者雇用促進法第2条第1号に規定する障害者とす
ることが適当である。
②事業主の範囲
 差別禁止等を義務付ける事業主の範囲については、企業規模によって差を設けず、全ての事業主を対象とすることが適当である。
 派遣労働の取扱いについて、派遣先事業主は現行の労働者派遣法に基づく責任を負いつつ、当面、派遣元事業主に障害を理由とする差別の禁止及び合理的配慮の提供義務を課すことが適当である。
 差別禁止等の義務の主体は、男女雇用均等法等と同様に事業主とすることが適当である。

2.障害を理由とする差別の禁止
(1)基本的考え方
 差別禁止の範囲は、事業主に法的義務を課すものであることから、①事業主にとって何が禁止すべき差別に当たるのか明確であること、②男女雇用機会均等法の性差別禁止と異なり、事業主に対して合理的配慮の提供義務が課されることとの関係に留意することが求められる。
(2)禁止すべき差別
 雇用に係るすべての事項を差別禁止対象とすべきである。主な対象としては、募集・採用の機会、賃金その他の労働条件、昇進・配置その他の処遇、教育訓練、雇用の継続・終了(解雇・雇止め等)が考えられる。
(3)差別禁止の私法上の効果
 障害を理由とする差別の禁止については、雇用に係る全ての事項を対象としており、禁止規定に反する個々の行為の効果は、その内容や状況に応じ様々であり、個々に判断せざるを得ず、私法上の効果については、民法第90条、民法第709条等の規定に則り個々の事案に応じて判断される。

3.職場における合理的配慮の提供について
(1)基本的考え方
 障害者に対して職場における合理的配慮の提供を事業主に義務付けるべきである。
 その際、合理的配慮は個々の労働者の障害や職場の状況に応じて提供されるものであり、多様かつ個別性が高いものであるので、法律では合理的配慮の概念を定め、具体的な配慮の内容等については、配慮の視点を類型化しつつ、指針として定めることが適当である。
(2)合理的配慮の枠組み
 合理的配慮の枠組みについては、①施設・設備の整備、②人的支援、③職場のマネジメントに関する配慮といった枠組みで考えることが適当である。
(3)合理的配慮の内容
 募集・採用の機会(採用の機会におけるコミュニケーション支援等を含む。)は合理的配慮の内容に入ることとすることが適当である。なお、募集・採用時に合理的配慮を必要とする場合には、事業主が事前にそれを認識できるようにすることが求められる。
(4)合理的配慮の提供のための仕組みと実効性担保
①合理的配慮提供の実効性担保と企業での仕組み
 合理的配慮提供の実効性を担保するためには、あまり確定的に権利義務関係で考えるのではなく、指針等により好事例を示しつつ、当事者間の話合いや第三者が入ってのアドバイスの中で、必要なものを個別に考えていくことが適当である。
 また、個々の合理的配慮の具体的内容は、当事者間で相談しながら決めることが重要であり、企業内で障害者からの相談に応じる体制の仕組みを確保することが必要である。なお、障害者が合理的配慮について相談したことにより不利益な取扱いを受けないようにすることが必要である。
②事業主の負担に対する助成の在り方
 現行では、障害者雇用率制度に連動する形で、障害者雇用に伴う事業主間の経済負担の調整の仕組みとして納付金制度があり、そうした事業主間の経済負担の調整の一環として、合理的配慮に係る経済的な負担を支援していくことは可能であり、その仕組みを活用していくことが適当である。
(5)過度の負担
 事業主にとって配慮の提供が過度の負担となる場合には、事業主が合理的配慮の提供義務を負わないこととすべきである。
 過度の負担を判断するに当たっては、企業規模、業種、企業の置かれている財政状況、経営環境や合理的配慮に対する経済的な支援等も考慮すべきであり、これらの項目を勘案した指針をもとに判断することが適当である。
 なお、過度の負担については、合理的配慮と同様に非常に個別性が強いことから、企業の事業規模等を総合的に勘案して、個別に判断する必要があり、判断基準として一律の数値基準を設けることにはなじまない。

4.権利擁護(紛争解決手続):略

5.公務員の取扱い:略

第2  障害者雇用促進制度における障害者の範囲等の見直し
1.障害者雇用促進制度における障害者の範囲:略

2.障害者雇用率制度における障害者の範囲等

(1)雇用義務制度の趣旨・目的について:略
(2)精神障害者の取扱い
 精神障害者を雇用義務の対象とすることについては、企業が精神障害者の雇用に着実に取り組むことができるよう、十分な準備期間を設けることを前提とした上で、企業に対する大幅な支援策の充実を進めつつ、実施することが必要である。
 さらに、精神障害者を雇用義務の対象とする場合の対象者の把握・確認方法は、精神障害の特性やプライバシーへの配慮、公正、一律性、事業主の予見可能性の担保等の観点から、精神障害者保健福祉手帳で判断することが適当である。
 その際、本人の意に反し、手帳の取得が強要されないようにすべきである。
 なお、使用者側委員からは、法定雇用率が平成25年4月に引き上げられるなどの中で、精神障害者を雇用義務の対象とする場合の実施時期をあらかじめ定めることは時期尚早であり、精神障害者の雇用環境の改善状況等をさらに検証した上で検討すべきとの意見があった。
 今後、少なくとも企業が精神障害者の雇用に円滑に取り組むことができるための支援策の強化を早期に図ることが必要である。

(3)その他の障害者の取扱い
 雇用義務制度の趣旨・目的を踏まえると、障害者手帳を所持しない発達障害者、難治性疾患患者等のその他の障害者については、現時点では雇用義務の対象とすることは困難であるが、①企業における雇用管理ノウハウの蓄積や企業の雇用環境の改善をさらに進めていくとともに、地域の就労支援の体制作りやネット
ワークの構築を進めて行くこと、②対象範囲が明確でなく、公正・一律性が担保されていないことから、職業生活上の困難さを把握・判断するための研究を行っていくことが必要である。

3.障害者雇用率制度に関するその他の論点
(1)重度障害者の範囲とダブルカウント制度について
 ダブルカウント制度は、就労の困難度の高い重度障害者の雇用促進に一定の役割を果たしてきた。重度障害者の雇用にあたっては、施設、設備等の物的な負担や、現場指導等の配慮等が必要であることから、今後も重度障害者の雇用を促進していくためにも、ダブルカウント制度は継続していくことが必要である。
 一方で、就労の困難度に基づく重度障害者の基準については、引き続き研究を行っていくことが必要である。
(2)特例子会社制度について
 特例子会社制度が、知的障害者をはじめとする障害者の雇用促進に果たしてきた役割は大きく、多くの障害者をその特性に配慮して継続して雇用するという観点でも貢献しており、特例子会社制度は継続させることが必要である。
(3)派遣労働者について
 派遣労働は複雑な雇用形態であり、各企業で派遣労働者の位置づけをどう捉えるかということにも関係することから、引き続き、派遣労働者としての障害者雇用のニーズの動向等を見た上で検討すべきである。

第3  地域の就労支援の強化:略

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xeb3.html


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