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名言、故事成語に学ぶ人材マネジメントの本質 [2013.01.30]

第8回「十人十色」~女性社員活用だけではない。ダイバーシティ・マネジメントの本質を理解しよう


名言、故事成語に学ぶ人材マネジメントの本質(8)
太期健三郎 だいごけんざぶろう
(ワークデザイン研究所 代表)

 「ダイバーシティ」「ダイバーシティ・マネジメント」という言葉が使われるようになってから随分たちますが、「ダイバーシティ=女性社員活用」と捉えられるなど誤解は少なくありません。
 ダイバーシティとは、簡単に言うと「多様な人材を活用する」ということです。「十人十色」「百人百様」と言われるように、人間は一人ひとり違いを持っています。今回は、人材マネジメントにおけるダイバーシティの意義について考えていきましょう。

■ダイバーシティとは

 ダイバーシティというと、女性社員活用やワークライフバランスに関連したものとして語られることが多いです。例えば、ダイバーシティ推進企業の事例では「女性管理職比率の高さ」「働く女性の仕事と育児の両立」等だけが語られていたりします。しかし、先に述べたようにダイバーシティは「多様な人材の活用」を意味し、女性活用はその一部に過ぎません。
 ダイバーシティ(ダイバーシティ・マネジメント)は英語では「Diversity and Inclusion」と言います。「多様性(Diversity)を包含・受容(Inclusion)する」ことで、平たく言えば「多様な人材を活用する」となるのです。
 ですから、男性と女性という性別だけでなく、年齢、国籍、学歴、働き方、価値観、経験、スキル、ライフスタイル、などさまざまな視点の多様性を含みます。
 「十人十色」という言葉がありますね。人の好みや考え方、性格などはみんな違うという意味の四字熟語で、「ブレインストーミング(グループでアイデアを自由に出し合う発想法)をしたら、十人十色の、さまざまなアイデアが出てきた」などのように使われます。
 働く人も、能力、経験、仕事観、特性など一人ひとり異なります。その違いを見極めてうまく活用することがダイバーシティです。

■ダイバーシティ・マネジメントは時代の要請

 ダイバーシティは当初、男女雇用機会均等法への対応として義務のように取り組まれたり、CSR(企業の社会的責任)に関する対外的なアピールとして推進されたりしました。
 しかし、今後は次のような時代の要請から、積極的にダイバーシティを推進することが求められるでしょう。

・グローバル競争の進展、消費者・労働者の価値観の多様化への対応
・少子高齢化の進行、労働力人口減少に対応するための労働力の確保
・高年齢者雇用安定法の改正、企業の障害者雇用率のアップなど行政からの要請
・人件費を含めたコスト競争力アップのためのさまざまな社員活用

 なお、従業員数50人以上の企業・団体の人事担当者を対象とした調査で、勤務先で取り組んでいるダイバーシティ・マネジメントの種類を聞いたところ、[図表1]のようになっています。
 これを見ても、やはり育児・介護休業法(出産・育児休暇制度、介護休暇制度)や高年齢者雇用安定法(再雇用制度、高齢者雇用)などの法律で義務づけられているものが多く挙げられているようです。

[図表1]ダイバーシティ・マネジメントの取り組み

資料出所:「ダイバーシティ・マネジメント」に関する調査結果(2010年gooリサーチ実施、[図表2]も同様)

■積極的なダイバーシティ・マネジメントを行うには

 ダイバーシティが「多様な人材を活用する」ことだといっても、多様な人材をまったく「等しく・同じように」採用し、処遇するということではありません。それでは、ダイバーシティ推進自体が目的となり、職場に混乱をもたらしたり、生産性が落ちたり、人件費アップにつながりかねません。かつての多くの日本企業のように「コア人材は新卒入社・純粋培養の男性社員が占めている状態」であれば可能であった均質な人材のマネジメントに比べ、多様な人材のマネジメントは、はるかに難しいものです。

[図表2]ダイバーシティ・マネジメントの取り組みにおける問題点

 ダイバーシティを推進する企業は、社員受け入れの体制、制度、環境を整える必要があります。具体的には、組織、人事制度(評価制度、給与制度など)、労働環境、業務の進め方、役割分担などの見直し、整備が必要になります。
 「駕籠(かご)に乗る人、担(かつ)ぐ人、そのまた草鞋(わらじ)を作る人」ということわざがあります。世の中には、さまざまな職業、役割がある。また、そのさまざまな人がうまく世の中を構成している――ということのたとえです。
 企業の中にも、さまざまな仕事、役割があり、それぞれに求められる知識、能力、経験、適性などがあります。それらを見極め、多様な人材を適材適所で活用することが必要になります。
 例えば、流通業で、正社員、パート社員などを上手に組み合わせて活用している企業は、正社員、パート社員それぞれの評価制度、給与制度、育成体系などを整備し、運用しています。役割分担、業務の進め方、シフトの組み方などたくさんの工夫をしています。

■まとめ

 「十人十色」「駕籠に乗る人、担ぐ人、そのまた草鞋を作る人」「適材適所」などの言葉を使ってダイバーシティを説明してきました。今回のコラムのポイントを整理してみましょう。

「十人十色」「百人百様」「駕籠に乗る人、担ぐ人、そのまた草鞋を作る人」「適材適所」

1.ダイバーシティとは、女性活用だけでなく、多様な人材を活用することである

2.時代の要請として今後、ダイバーシティの必要性はますます高まる

3.多様な人材を活用するには、組織、制度、労働環境などの見直し、整備が必要となる

 「企業」は多様な人材を活用して発展し、「個人」は気持ちよく充実して働ける。真のダイバーシティが推進されれば、企業も個人もハッピーになるはずです。

太期健三郎(だいごけんざぶろう)profile
1969生まれ。神奈川県横浜市出身。人事コンサルタント/ビジネス書作家。三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)、株式会社ミスミ、株式会社グロービスを経て、ワークデザイン研究所代表に就任。コンサルタントおよび現場実務の両者の立場で一貫して人材マネジメントとキャリアデザインに取り組む。主著『ビジネス思考が身につく本』(明日香出版社)。
ワークデザイン研究所のホームページ http://work-d.org/
ワークデザイン研究所代表のブログ http://blog.livedoor.jp/worklabo/


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