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新任担当者のための労働法セミナー [2013.04.23]

第12回 休憩時間

 

下山智恵子
インプルーブ社会保険労務士事務所 代表 特定社会保険労務士



今回のクエスチョン

Q1 1日6時間30分働くパートさんから、「休憩を取るよりも、休憩時間を取らずにその分早く帰りたい」という申し出がありました。本人も希望していることだから認めようと思いますが、大丈夫でしょうか?


A1 休憩は、労働時間の途中に与えなければなりません


 労働基準法34条では、労働時間が6時間を超える場合に、少なくとも45分の休憩を労働時間の途中に与えるよう定められています。労働基準法は強行法規のため、会社と本人が合意したとしてもこれに反することはできません。

【解説】

■6時間超で45分を与えなければならない

 実労働時間が6時間を超える場合に45分、8時間を超える場合に60分の休憩を与えなければなりません。例えば、実労働時間8時間の会社の休憩時間は45分でも構いませんが、8時間を超える労働に入る前に15分の休憩時間を与える必要があります[図表1]。8時間を大幅に超えても、それ以上与える必要はありません。

 なお、トラックやタクシー、バスの運転手などは、これら労基法の定めのほかに拘束時間(休憩時間を含め、使用者に拘束されている時間)や休息期間などについての決まりがあります。

■一斉に与えなければならない

 原則として、事業場の全労働者に一斉に与えなければなりません。ただし、[図表2]の業種であれば、一斉に与える必要はありません(労基法40条)。

 また、これら以外の業種であっても、労使協定を結べば、一斉に与える必要はありません。この労使協定では、➀一斉に休憩を与えない労働者の範囲と、➁当該労働者に対する休憩の与え方を定めることとされていますが、労働基準監督署へ届け出る必要はありません。
 なお、休憩時間を与えるのは1度に限らず、2度、3度に分けて与えても構いません。

■自由に利用させなければならない

 休憩時間とは、労働者が労働から離れ、自由に利用できることを保障されている時間をいいます。現実に作業はしていなくても、使用者から就労の指示があれば、いつでも応じられるように待機している「手待ち時間」は休憩時間とはなりません。
 例えば、休憩時間中に来客応対や電話当番をさせている場合などは、労働者が自由に利用できず、休憩時間を与えたことにはなりません。
 飲食店などで客待ちをしている時間は、休憩時間なのかどうかが分かりにくく、後で問題になることが多いものです。休憩を与えていなかった時間は労働時間であり、その時間に相応の賃金を請求されるケースが増えています。
 このようなトラブルを避けるためには、使用者側としては、休憩室を設けるなどにより、自由に利用できる環境を確保しておくことが考えられます。


《復習&応用問題》

Q2 当社では、休憩時間に外出するには許可を得るよう義務づけています。「自由利用の原則」に反しますか?


A2 休憩時間中の外出を許可制にすることは、違法ではありません

 休憩時間は自由とはいえ、規律保持上必要な制限を加えることまで認められないわけではありません。
 そのため、休憩時間中の外出を許可制にすることは違法ではないとされています(昭23.10.30 基発1575)。また、休憩時間中の政治活動を禁止することも、施設管理権の範囲で認められるとした判例もあります(電電公社目黒電報電話局事件 最高裁三小 昭52.12.13判決)。


※本記事は、人事専門資料誌「労政時報」の購読者限定サイト『WEB労政時報』にて2012年3月に掲載したものです


こんなときどうする? Q&Aでわかる! 労働基準法
  特定社会保険労務士 下山智恵子 著/労務行政
  A5判・256頁・1,782円

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●労働時間、解雇、賃金など、問題となりがちな項目について、労働基準法の定め・取り扱い等を図解入りで解説

 第1章  労働基準法とは?
 第2章 「労働時間」の基本を押さえる
 第3章 「賃金」の基本を押さえる
 第4章 「休暇・休業」の基本を押さえる
 第5章 「妊娠~出産~育児関連、年少者」の基本を押さえる
 第6章 「退職・解雇」の基本を押さえる
 第7章 「労働契約・就業規則」の基本を押さえる

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下山智恵子 しもやまちえこ
インプルーブ社会保険労務士事務所 代表 特定社会保険労務士

 大手メーカー人事部を経て、1998年に下山社会保険労務士事務所を設立。以来、労働問題の解決や就業規則作成、賃金評価制度策定等に取り組んできた。 2004年には、人事労務のコンサルティングと給与計算アウトソーシング会社である(株)インプルーブ労務コンサルティングを設立。法律や判例を踏まえたうえで、 企業の業種・業態に合わせた実用的なコンサルティングを行っている。著書に、『労働基準法がよくわかる本』『もらえる年金が本当にわかる本』(以上、成美堂出版)など。


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