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使える!統計講座 【深瀬勝範】 [2012.11.12]

第48回 第3次産業の活動状況を把握する ~第3次産業活動指数など~


使える! 統計講座(48)
深瀬勝範 ふかせかつのり(社会保険労務士)

 鉱工業の生産状況を示す「鉱工業指数」と同様に、第3次産業全体の活動状況を示す指標として「第3次産業活動指数」があります。これを見れば、さまざまな業種から構成される第3次産業の活動状況を簡単に把握することができます。

1.「第3次産業活動指数」とは

 「第3次産業活動指数」とは、商業やサービス産業など、いわゆる第3次産業に属する業種の生産活動を総合的に捉えることを目的として、経済産業省が算出する指標です。この指数は、毎月、経済産業省のウェブサイトで公表され、政府や各種機関が行う経済分析などに広く使われています。
 第3次産業活動指数の算出では、まず、13の対象業種について販売額や契約件数などのデータに基づいて活動状況を指数化し、それぞれの指数に業種ごとに設定したウェイトを乗じたものの加重平均を求めます。こうすることにより、さまざまな業種から構成される第3次産業の活動状況を一つの指数で表すことができます。
 第3次産業活動指数は、「2005年平均=100」とする指数で表示されますので、活動状況の動きを簡単に捉えることができます。また、各業種の指数も公表されますから、業種ごとの活動状況をリアルタイムで捉えることもできます。


[図表1]第3次産業活動指数の算出に使われるデータと業種ごとのウェイト

2.第3次産業の活動状況の推移を見る

 それでは、第3次産業活動指数から、第3次産業の活動状況の推移を見てみましょう[図表2]。


[図表2]第3次産業活動指数の推移(2003年1月~2012年8月)

 第3次産業活動指数は、2003年から2007年8月まで、小幅な上昇・下降を繰り返しながら、全体としては上昇傾向を示していました。しかし、2007年8月の「103.5」をピークに横ばいになり、2008年11月以降は、リーマン・ショックの影響によって大きく落ち込みました。2009年3月の「94.4」を谷として、指数は上昇傾向を示すようになりましたが、2011年3月の東日本大震災の影響を受けて、再び大きく落ち込みました。2012年8月の時点で、指数は大震災前の状態に戻っていますが、いまだに「100(=2005年の水準)」に届かず、第3次産業の活動は低迷状態から脱しきれていないものと捉えられます。

 業種別の活動指数を見ると、第3次産業は、業種によって活動状況が大きく異なっていることが分かります[図表3]。


[図表3]「医療、福祉」「情報サービス」「卸売業」「小売業」の活動指数の推移

 例えば、「医療・福祉」の活動指数は、2003年以降、ほぼ一貫して上昇し続けており、リーマン・ショックや東日本大震災の影響も、ほとんど見られません。また、「情報通信業」の指数も、「医療・福祉」の指数の推移と比べると波はありますが、全体的には上昇傾向が見られます。
 一方、「卸売業・小売業」は、活動指数が低下してきています。ただし、指数が低下しているのは「卸売業」の方で、「小売業」の活動指数は、むしろ上昇傾向が見られます。卸売業は、リーマン・ショックが発生したときに活動指数が大きく落ち込みましたが、現在も低調な状態が続いています。インターネットの浸透により流通経路が多様化する中で、卸売業の位置づけ自体が大きく変わってきているのかもしれません。

3.「全産業活動指数・全産業供給指数」とは

 「第3次産業活動指数」「鉱工業指数」(本連載第45回の講座を参照)などを組み合わせれば、日本の産業全体の活動状況を捉えるデータを作ることができます。この統計データが、経済産業省の「全産業活動指数・全産業供給指数」で、これもインターネット上で、毎月、公表されています。データの見方は「第3次産業活動指数」とほぼ同じであるため、ここでは解説を割愛しますが、ぜひこのデータもチェックしてみてください。

 「企業の活動状況は、新聞を見れば分かる」と思うかもしれません。しかし、ビジネスを展開するうえでは、マスコミに取り上げられるような「大きな動き」になる前に、統計データから「小さな変化」を読み取って、時代を先取りした行動をとることが重要です。今や、統計データを的確に読み取る能力は、ビジネスパーソンに不可欠のスキルとなっています。
 最初のうちは意味不明な統計データでも、見続けているうちにさまざまなことが読み取れるようになります。統計データを読み取る能力を養うためにも、自分が関心を持っている分野の統計データを定期的にチェックすることを心掛けるとよいでしょう。

<関連リンク>
 ・経済産業省「第3次産業活動指数」

 ・経済産業省「全産業活動指数・全産業供給指数」

深瀬勝範(ふかせ・かつのり)Profile
社会保険労務士
 1962年神奈川県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、大手電機メーカー、金融機関系コンサルティング会社、大手情報サービス会社を経て、2001年より現職。営利企業、社会福祉法人、学校法人等を対象に人事制度の設計、事業計画の策定等のコンサルティングを実施中。


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