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使える!統計講座 【深瀬勝範】 [2012.07.18]

第41回 消費者意識や消費財の買い替え状況などを調べる ~消費動向調査~


使える! 統計講座(41)

深瀬勝範 ふかせかつのり(社会保険労務士)
 「消費者は、今後、どのような行動をとろうとしているのか?」――このようなデータは、自分の仕事に活用できるだけではなく、消費者の一人としても気になるところです。内閣府の「消費動向調査」を見れば、消費者の意識や今後の支出予定などを調べることができます。

1.「消費動向調査」とは

 「消費動向調査」は、今後の暮らし向きに関する消費者意識や、各種サービスへの支出予定などを把握するために、内閣府経済社会総合研究所が毎月行っている調査です。調査項目は、次のとおりです。

・消費者の意識(暮らし向き、収入の増え方、雇用環境、耐久消費財の買い時判断、毎月)
・物価の見通し(毎月)
・旅行の実績および予定(3、6、9、12月)
・自己啓発、趣味・レジャー・サービス等の支出予定(3、6、9、12月)
・主要耐久消費財等の保有買い替え状況(3月)
・世帯の状況(毎月)

  「消費者の意識」は、「消費者態度指数」という指標で表されます。この指標は、次の方法で算出されています。

(1)「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」および「耐久消費財の買い時判断」の各項目に関し、今後半年間の見通しについて、消費者に5段階評価で回答してもらう。
(2)5段階評価のそれぞれ「良くなる」に(+1)、「やや良くなる」に(+0.75)、「変わらない」に(+0.5)、「やや悪くなる」に(+0.25)、「悪くなる」に(0)の点数を与え、この点数に各回答区分の構成比(%)を乗じ、乗じた結果を合計して、項目ごとに消費者意識指標(原数値)を算出する。
(3)これら4項目の消費者意識指標(原数値)を単純平均して消費者態度指数(原数値)を算出する。

 消費者態度指数は0から100までの数値をとり、50を超えていれば「良くなる」という見通しを持っている消費者が多いこと、逆に50を下回れば「悪くなる」という見通しを持っている消費者が多いことが分かります。

2.消費者の意識を見る

 「消費動向調査」から、2000年以降の消費者態度指数(季節調整値)の推移を見てみましょう[図表1]。


[図表1]消費者態度指数の推移(2000年3月~2012年6月)

 前述したとおり、消費者態度指数は「50以上か、それ未満か」ということが一つの基準になるのですが、2000年以降、この指数が「50」以上となったことは一度もありません。それどころか、消費者態度指数が「50」以上となったことは、1983年以降で見ても、1988年12月(50.8)、1989年12月(50.7)、1990年3月(50.0)の3回しかないのです。

 このような結果を見ると、消費者は、今後半年間の暮らし向きや雇用環境などについて「厳しめ」に評価する傾向があることが分かります。
 消費者態度指数が最も低くなった時期は、リーマンショック直後の2009年1月(27.4)です。この事実だけ捉えると、「リーマンショックが消費者意識を冷え込ませた」ように見えますが、[図表1]を見れば分かるとおり、消費者態度指数の低下傾向は、リーマンショックが起こる1年以上も前の2007年6月頃から続いていたのです。
 つまり、「リーマンショックが消費者意識を冷え込ませた」のではなく、「消費者意識の冷え込みが続く中で、リーマンショックが発生した」というほうが正しいのです。また、リーマンショックが発生した数カ月後から消費者態度指数は改善傾向に転じていますが、それは、消費者の間に「これから先は今よりも悪くなることはないだろう」という底入れ感が広まったことが関係しているものと考えられます。
 このように、消費者態度指数は、消費者の不安や期待も反映される興味深いデータです。消費者の意識を捉えたいときにチェックするとよいでしょう。

3.サービスの支出予定や耐久消費財の保有状況を見る

 3、6、9、12月の「消費動向調査」では、旅行やサービス支出(自己啓発、スポーツ活動費、コンサート等の入場料、遊園地等娯楽費、レストラン等外食費、家事代行サービスに支出する費用)の予定について調べた結果が公表されます。
 [図表2]は、この2012年6月の調査に掲載された「2012年7~9月」の旅行サービス支出の予定です。これを見ると、旅行については、「国内旅行」が前期と比べてわずかながら増加しており、一方、サービス支出は、「自己啓発」と「コンサート等の入場料」を除いて減少傾向となっています。


[図表2]2012年7~9月の旅行の予定およびサービス等の支出予定

 旅行業やサービス業などに勤務している方は、これからの消費者の動きを把握するデータとして、この調査の結果を活用することができます。
 また、毎年3月に実施される調査(公表は4月)では、「主要耐久消費財の普及・保有状況」および「主要耐久消費財の買い替え状況」の調査結果が公表されます。これを見ると、家電製品や乗用車の普及率や買い替え状況が分かります。
 この調査結果は、家電業界や自動車業界の人はもちろん、それ以外の人でも、これらの製品の買い替えを検討するときに参考になりそうです。
 [図表3]は、2011年3月~2012年4月に家電製品や乗用車を買い替えた人の、買い替え前に使用していたものの平均使用年数および買い替え理由を示したものです。これを見ると、「携帯電話は使用年数3.5年で上位品目に買い替える」というパターンが多くなっています。今の携帯電話を4年以上使っている方は、そろそろ買い替えを検討する時期かもしれません。


[図表3]主要耐久消費財の買い替え状況(一般世帯)

 内閣府の統計調査でも、見方によっては、このような意外な使い方もあるのです。

<関連リンク>
 ・ 内閣府経済社会総合研究所「消費動向調査」 

深瀬勝範(ふかせ・かつのり)Profile
社会保険労務士
1962年神奈川県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、大手電機メーカー、金融機関系コンサルティング会社、大手情報サービス会社を経て、2001年より現職。営利企業、社会福祉法人、学校法人等を対象に人事制度の設計、事業計画の策定等のコンサルティングを実施中。


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