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コーピングで始める「自分改造計画」【田中ウルヴェ京】 [2012.05.08]

年中無休!? いつも不機嫌な上司とうまくやっていくコツとは?

 

コーピングで始める「自分改造計画」~第8回:ケーススタディ(その6)
田中ウルヴェ京(メンタルトレーナー/コーピングコーチ)
株式会社MJコンテス 代表取締役社長
 なぜかいつも不機嫌そうにしている上司。何かあれば舌打ちしたり、あからさまにため息をついたり、貧乏揺すりをするなんていうのは日常茶飯事。とにかく気分屋で、気に入らないと内線電話の受話器をたたき付けるように切ったりすることも。職場全体がいつもその上司の顔色や機嫌を伺っているような状態というような環境で、ストレスはたまる一方……。こんな場合あなたならどうしますか?

8回目:ケーススタディ(6) 

 うちの上司はいつも不機嫌そうな顔をしています。笑ったところを見たことがありません。しかも、何かあれば、舌打ちしたり、貧乏揺すりしたり、内線電話の受話器をたたき付けたりと行動も荒く、気分屋です。職場全体がいつも上司の顔色や機嫌をうかがっています。ほとほとそんな職場に疲れました。  

■相手の「実際」は自分が思い描いたイメージとは違うこともある

 世の中にはさまざまな人がいるものです。素晴らしいと思えるような人との出会い、苦手だなと思うような人との出会い。中には例題のように、顔を合わせているだけでストレスの種にしかならないような上司との出会いもあるかもしれませんね。しかし、忘れてはいけないのは、他者への評価はあくまで自分の「主観」が基になるものであり、相手の「実際」は自分が思い描いたイメージとは違うこともある、ということです。

 例題の上司のように、周囲に対してあからさまにその不機嫌さをあらわにすることは、決して褒められたことではありません。その人がいるだけで職場の雰囲気が悪くなってしまうような振る舞いは、その上司自身が気づき、正していくべきものとも言えるでしょう。しかし先にも挙げたように「この人はXXXだ」という主観や先入観が先に立ってしまうと、なかなか相手のよいところが見えなくなってしまうことも事実です。

■出張を機に見えてきたさまざまな側面

 実際にあった話を例にしましょう。Aさんは職場で、皆から恐れられている存在でした。いつも無口、無愛想で、不機嫌な態度しか取りません。誰に対しても厳しく、人を褒めるなどということはめったにありませんでした。ですから他の部署からAさんの部下として異動することになったBさんはとても気が重く、他の人同様にAさんのことを最初から疎ましく感じていました。

 ある日Bさんは、Aさんと二人だけで泊まりがけの出張をすることになりました。Bさんにとっては悪夢のような仕事です。「なんてハズレくじを引いてしまったんだ」、そんな風に道中ずっと考えていました。仕事がなんとか終わり、これから二人で食事という頃には、気の重さから正直生きた心地すらしていませんでした。

 ところが一緒に食事をするうちに、どんどん緊張がほぐれてAさんが実は自分が思い描いていた怖いだけの人とは違うことが見えてきました。長年続けている趣味の俳句のことや、ご家族で山登りに行く話。今まで見たことのなかったAさんの魅力がどんどん見え出すと、Bさんの中のAさんのイメージが一新しました。それからというもの、BさんはAさんに苦手意識を持たなくなったそうです。また、AさんもBさんと打ち解けたことがきっかけとなり、部下たちにも不機嫌な態度を取ることが少なくなったということです。全てがこの実例のように運ぶとは思いませんが、人は見かけによらないということを説明するには、大変よい参考になるかと思います。

■苦手な相手に対して、自分自身はどうするか

 不機嫌で、ともすると苦手にしか思えないような上司とうまくやっていくことは、正直難しい部分もたくさんあるでしょう。会社によっては上司に意見が言えない風潮があったり、何でも従わねばならない雰囲気があったりと、建設的なコミュニケーションをしようとしても、思うようにはいかない場合もあり得るでしょう。

 そんな場合できることは「自分自身がどうするか」です。下記を参考にしてみましょう:

●どんな状況であったとしても、自分ができる限りでその上司に不機嫌な態度を改めてもらうべく働き掛けてみること
(前回の連載で学んだアサーション〔自分の意思や気持ちを主張し、相手に押し付けるのではなく、相手の心情や立場に配慮し、相手にとっても受け入れやすい表現によって、相手を確実に動かしていこうというコミュニケーションのスタイル〕を参考にしましょう)
●その上司よりも上の立場の人に思い切って相談してみること
(6回目の連載を参考にしましょう)
●上記の実例のように、苦手なその上司と食事など、職場をいったん離れたところに誘い、普段しないような話をしながら突破口を見つけること
●思い切ってその職場から去る
(これも6回目の連載をぜひ参考にしてみてください)

――この四つののいずれかでしょう。

 どの方法が一番かは、その時によって違うと思います。しかし、先に述べたように、人は往々にして自分の「主観」=「自分の思い込み」だけで人を判断してしまうもの、ということもぜひ、頭の隅に置いてみてください。どんなに苦手と思うような相手でも、相手から何かを学ぶことができる……そんな風に建設的に考えることが、大切です。

profile  田中ウルヴェ京(メンタルトレーナー/国立鹿屋体育大学客員教授)
1967年生まれ。聖心女子学院初中高等科を経て、日本大学在学中の1988年にソウル五輪シンクロ・デュエットで銅メダル獲得。1989~1999年に日本代表チームコーチ、アメリカ五輪ヘッドコーチアシスタント、フランス代表チーム招待コーチなどを歴任。1991年より渡米、米国カリフォルニア州セントメリーズ大学大学院健康・体育・リクリエーション学部修士課程修了。99年からは米国アーゴジー心理専門大学院にて認知行動療法とスポーツカウンセリングを、2000年米国サンディエゴ大学院にてパフォーマンスエンハンスメントとアスレティックリタイヤメントを学ぶ。2001年に起業し、心身の健康をテーマに、株式会社MJコンテスを経営。アスリートからビジネスパーソンまで幅広くメンタル指導を行う一方、東京・白金台と大阪にピラティススタジオ「DMJボディバランシング」を持つ。企業研修や講演は年に200を数え、最近では報道番組でコメンテーターも務める。夫はフランス人、二児の母。『書くだけで人生が変わる{感謝日記} すぐに幸福を引き寄せる30の方法』(実業之日本社)、『「リーダー力」を鍛える!メンタルトレーニング実践講座』(PHP研究所)など著書、共著、訳著多数。
http://www.mjcomtesse.com


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